人の心の中の絶望が生み出した、ロストという名前の怪物に立ち向かうDSIという組織。その組織に所属する男女の中学生を主人公とした、現代バトルジュヴナイルファンタジーです。第6話まで読みました。
小説の作法をきちんと守っているため、非常に読みやすいのは高ポイントです。また、簡にして要を得た文章で書かれた、非常にテンポの良い描写が心地よく、どんどん読めます。
その一方で、ちょっと展開が速いようにも感じました。敵をやっつけるのではなく、救うために戦うというのが特徴ですが、展開の速さから十分それが感じられない場面も。これはテンポの良さとトレードオフですから、仕方のないことでしょう。web小説であることを考えれば、これも十分ありかもしれません。
主人公である明日香と誠司には、恋愛感情はない純粋な仕事上のパートナーとして書かれています。ここは好みが分かれるかも知れません。中学生なのだから、もう少し恋愛方面に振っても良いような気はするのですが、しかしあえてそこに踏み込まないことで、ストーリーを純粋に味わえるとも言えます。
気軽に読めて、それでいて重厚さも感じられるアクションものをお探しの方に、お薦めです。
怪物との戦いが描かれる作品ですが、強く印象に残るのは“ほんのひと言が誰かを救えたかもしれない”という余韻でした。明日香や誠司たちは力ある存在でありながら、迷い、すれ違い、後悔を抱える等身大の人物として描かれており、その弱さが物語に温度を与えています。
14話まで読むと、戦いの意味が少しずつ輪郭を帯び、彼ら自身も誰かに支えられながら変わっていく気配が見えてきます。
心が壊れてしまう前にそっと手を伸ばすことの大切さ
それが物語をとおして段々積み上がっていく──そんな印象を受けました。
続きを読むたび、彼らがどんな“救い”に辿り着くのか、見守りたくなるお話です。
完結前のレビューになってしまい恐縮ですが、続きを楽しみにしております。