第38話 売国の先、果てはどこに行くんだろうね?

 片付けで疲れ果てて寝込んだ。今は…何時だか分からない。だってずっと明るいからね?そもそも、場所によって薄暗くなるとか言うトンデモない設定があるから。

「ところでさ?この世界ってどうしてこうなってるんだろうね?」

「木瓜…。急に規模の大きな話をしてはいけないって習わなかったか?」

「え?どこの学校なら教えてくれるの?」

「うん、どこでも教えてくれないな?」

 俺までボケに浸食されてしまったみたいだ。というか…。この世界はどうしてこうなっているんだ?今まで触れた事があったっけ?魔王がこんなにしている割には、幹部もボケ倒してくる。幹部にまで浸食させて何がしたかったんだ?

「む?神を再起不能にする、というのが狙いなのではないか?」

「うん、モノローグだからね?そこにナチュラルに入ってこないでね?」

「我が思うに、腐ってどうにもならなくなったのではないか?」

「あぁ…そういうやつ?」

 どこの世界にもある売国とかそういうやつか。あれってなんでするんだろうな?金になるから?でもさ、自分の国じゃない?居場所がないじゃない?売った後はどこに行くんだろうね?

「む?そんな事を考えられる賢い奴は売国なぞしないだろう?愚か者だから売国するのだ」

「言葉が強い!!今までにないぐらい!!」

「神とてそこで生まれた存在であろう?自分の国が勝手に売られる姿を見てどう思うか?」

「あぁ…すっごい嫌だね?」

「であろう?そんなのしてるやつがいたら…呪詛でそいつを終わらせるであろう?」

「そこまで行かない!!そんなにしない!!」

「む?そうか…人間には呪詛返しが効くのであったな?」

「違う違う、そういう話じゃないだろ?!」

 まぁ…どこの世界でも同じなのか。やばい奴って一定数いるし、どこにでも存在している。そういうものなのかもしれない。

「所で二日酔い組はどこに?」

「寝てるのでは無いか?」

「ラー神は本当に酒に強いね?」

「む?そうか?日本の神では無いからかもしれないな?肝臓が強いのかもしれぬ。」

「え?そんな人間みたいな感じなの?」

「である。」

「天使は…なんで?」

「分からぬ。宇宙エネルギーの許容量の問題かもしれないな?宇宙の膨大なエネルギーを使えば造作もない事なのだがな?」

「取って付けたかのようにスピリチュアルが出てくる!!なんなの?!忘れてた?!」

「む?貴様が分からないというから使わない様にしていたのだぞ?」

「分かりました…。」

 もしかして、俺も使えたりするのか?宇宙の膨大なエネルギーをあれやこれやすると、自在に何か出来るようになる?何せ俺は…もう神になってしまったから。

「現人神に使えるかどうかは、素質によって異なるであろう。宇宙と繋がる事で、天啓を受けることが可能になる。繋がるためには雑念を無くすことが重要であるな。」

「早い早い!!自分の知ってる知識だけ急に早くなる!!」

「我に知らない事など無いのだ。アカシックレコードから引っ張りだしている知識を使えばこのぐらい造作もない事であるな。」

 うん、分からない。木瓜なんてもはや合いの手すら入れられずにそこら辺で町長を追いかけて…?!町長追いかけてる?!なんで?!蝶々じゃなくて?!

「木瓜?!お前何やってんだ?」

「うん?暇だったから蝶々を追いかけてるんだよ?」

「それ、人間の町長だから。町の長だから!!」

「そっか、残念だね!」

「お前…馬鹿なのか、あほなのかはっきりしろ!!」

「どっちか選べというなら…あほがいいな!」

「どっちも否定しろ!!ただの悪口なんだぞ?!」

「だって…僕の名前見て見て?名前が悪口だから…。」

「悲しい現実を受け入れるな!!名前なんて改名でもなんとでもなるだろ!」

「じゃあ、今から改名していい?」

「…?!今から?!物語の進行に影響がない名前ならいいんじゃないか?」

「じゃあ…只野阿保?」

「アホかボケじゃボケの方がいいじゃねぇか!名は体を表す、だからお前はボケているんじゃないのか?!」

「え?じゃあ、僕は悪い存在って事?」

「さぁ…?」

「そこで我を見るな。我は貴様が自分で選んだ名前なぞ知らぬ。」

「自分で選んだ?何を言ってるんだ?」

「貴様らは覚えてないかもしれないが、生まれる時に名前は決めているのだ。親から授かる訳ではない。全てのシナリオを決めて降りてくるのだ。」

「最高のスピリチュアル?!え、もしかして転移も決めてきてるって事?」

「そうであろう?覚えていないのかもしれないがな。ただな?転移をふざけて決める奴は一定数居るのだ。命知らずもいい所だな?」

 そうか…転移を決めて?俺…この"正拳"を持って異世界を突っ込んで回る事を決めていたのか。なるほど…全然分からん!!

「じゃあ、僕がこうして平突と行動しているのも決めていたって事?」

「貴様もそう…いや?貴様は巻き込まれただけかもしれないな。アカシックレコードには書き込まれていない。」

「平突?!僕の事巻き込んだの?!」

「どっちかって言うと俺が被害を受けてるじゃねぇか!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ツッコみ勇者、この世界をツッコみで救います?俺しかツッコみ役いないの?そうですか…。 とびし @Tobishi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画