第37話 神様の世界にタクシーってあるんだ?ふーん…それなの?!へぇ…流石は神様!
「ねぇねぇ平突?」
「どうした?」
「この光景って何だろうね?」
「神様の…なんだろうな?」
死屍累々のこの状況、俺はどう切り抜ければいいんだろう。昨日は大宴の開催(俺が開いたわけではない)…それで、後片付けもせず、庭のそこら辺に転がる神様。転移する前は見えなかった存在が見えるようになると…それはそれで。
「なんか、あっけないわ。」
「えぇ?もっとやって欲しかったの?ツンデレなんだね?」
「そっちじゃないわ!神様が居て欲しかったな、と思ってたけど…見えて見ればなんだか人間みたいだなって」
「そうかな?こんなに酔いつぶれて安心そうに寝てられるのは神様だけじゃない?」
「木瓜…お前なんか愚弄してない?」
「うん?僕はグロウ、したよね?」
「どこで成長したんだ?お前あんまり出番無いのに…。」
「そんな目で僕を見ないでよ!!僕だって好きで出番を失った訳じゃ無いんだけどね?」
まぁ…それもそうかな。というか、そんな事はどうでもいいとして。この状況をどうにか片付けなければならないし…。放っておけば各々勝手に帰っていくかな?
「放っておけば帰っていくと思うか?我はそうは思わないがな?」
いつの間に隣に?!しかも同じ体制で…。ていうか、足長くね?海外の神様が人化する場合って、海外基準なの?スリムな体系で羨ましい限りだ!!全く。
「うむ、色々思っているのは分かるが、今考えるべきではないだろうな?」
「なんでそんなに嫌そうな顔してるの?」
「む?それは二日酔いだ」
「嫌なんじゃなくて体調が悪いのか?!」
「下を向くと…出るな。」
「じゃあ、横を向いておいてもらってもいいかな?」
「む?良いだろう。」
「あ、壁画でよく見る光景だね!」
「あぁ、まったり!!急にまったりしてる!チルしたいの?」
「神を帰すのだ、やってみるがいい。我がここで見ていてやる」
「いや、やり方教えてくれない?!急に神を帰すのだ!って言われてもやり方知らないから!」
「む?そうか、では行くぞ?」
うわぁ…二日酔いなのにあんなに頭振って大丈夫なのかな?あぁ、ダメそうだね。すっごい顔してる。でも…なんか来てるな?!
「なんだこれ?!」
「UFOの群れだ、これで帰れるであろう」
「そんなタクシーみたいなノリで呼ばないでくれる?!」
「あれは神のタクシーであろう?知らぬのか?」
「全然知らないから!居酒屋の帰りに店の前に止めるのがこれなのか?!」
「であるな?」
「凄い、僕初めて乗ったかも!平突!こっち、乗り心地がとてもいいよ?!」
「おい、木瓜?!お前それ、どこに行くか分からないんだぞ?」
あ~…。居なくなった。マジで…何処に行くのあれ。神様が連れて帰ってくれるかな?俺らの所に。なんか二日酔いで倒れてた神様も皆笑ってるし…。
「良かった、ありがとうラー神。」
「うむ、良かろう…。」
「うむぅ…妾、頭がガンガンするんじゃ…お兄ちゃんよ…。」
あぁ、皆二日酔いなのか。という事は…ミカエルも二日酔いでダウンか。神も天使も皆楽しそうだ。口調の統一が出来ないぐらいに頭が痛い、と。
「シジミの味噌汁が効くんじゃない?後は…コーヒーとか?」
「平突お兄ちゃんよ…妾はあれが良いのじゃ、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)じゃ。」
「なんか…すっごい古い感じの…。」
「む?ババ臭いという話をしようとしておるのか?口調の統一を手伝ってくれんかの?」
「それ、キャラクターに頼む事じゃないからね?!平突お兄ちゃん、朝だよ!みたいな感じでいいんじゃない?」
「むぅ…お兄ちゃん、朝だよ…。」
声がガビガビで酒ヤケしてる。お兄ちゃん…悲しくなっちゃった。高校生の妹が酒ヤケ…。うん、設定がおかしい!まぁ、神様だからね!見た目は確かに小さいし。
「あぁ…頭が割れます~。」
「皆二日酔いだ。ボケが飛んでこなくてすごく平和だ!」
「快調なのは平突お兄ちゃんだけかな…。」
「そうなのかな?さっきまで元気にボケて来た奴が…あ、そうだ、神様タクシーに乗って消えて行ったんだった。」
「それ、大丈夫なんですか~…?」
「え?何かいけない事があるの?」
「言い忘れていた、神様以外が乗るととんでもない事が起こる可能性があるのだ。」
「は?!そういうのは先に言ってよ?!もう、送り出しちゃったじゃん?!」
「うむ、そうであるな?実際は…何が起こるかよくわかってないのだ。」
「はぇ…何が起こるんだろうね?俺らが考えていても仕方ないか。」
木瓜…お前の犠牲は忘れない。きっと助けに行くから、どんなに時間が掛っても。……?なんだ、あれ。
「ぃとつ~!」
「…?誰か今俺の名前呼んだ?」
三人は首を振る。まぁ、そうだよね?だって、かなり遠くの方から…遠くの方から?
「平突!!帰って来たよ!!」
「ボケが飛んでくるんじゃなくて、木瓜が飛んでくるのかよ?!それは想像してなかった!!」
木瓜ロケットが飛んできた。
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