第2話

「先生、お疲れ様です」

何人かの先生が職員室にいらっしゃいました。

私は静かに職員室の自席に腰を下ろすと、キーボードを打ち始めました。

世界が終焉してから今年で1000年が経ちます。

世界の核が溶け出し、地上では生きていけなくなりました。

そこで、地下1万キロメートルを半球体状に穴をあけ、そこに住むことになりました。

確かにいまの地上は平面です。

でもそんなことは子供達には教えてはいけません。

従来の教えがそうだから、というのとパニックに陥る可能性も0ではないからです。

そしてこのことが教えられるのは一握りの教職員です。


そして今、いろいろな機械化が始まっています。

最近はAIを教職員のもと教育させ、不気味の谷を越えさせてみる、という実験計画が遂行中です。

実際、「TAKASHI=0189」が質問してきたのはびっくりしました。

いまだに「彼」には1000年前のデータベースが残っているのかもしれません。

そうなれば機密情報がいずれ漏れ出してしまいます。

データベースを確認しなきゃな、と思いながら終業時間のチャイムが鳴っているのを聞きました。

先生方もほとんど機械ですから私と2,3人以外はすべて動きを止めています。

電気を消して、私はコントロールルームに向かいました。

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地球平面説 しぎたか @Aleph_alpha

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