第8話 補足 伝わる文章を書きましょう

 前回の投稿、レビューコメント御礼について。

 なぜ、あんなものを・・・と思った方もいることでしょう。

 それについての補足と、文章について少しだけ説明をいたします。


 まず、高評価のレビューコメントに対しましては、本当に嬉しいコメントでした。

 レビューコメントのお手本のような、読んだ方に「見に行ってもいいかな」と思わせる、カクヨムのレビューコメントの本質、のような感じがします。



 そして低評価コメント。そちらに対しましてはまず初めに伝えなければいけないことがあります。

 あれは、私みちのあかりが、低評価でのレビューコメントを書いてもいいと許可を出した上での作品です。なんか、上から目線っぽいな。どっちかというと、お願いして書いて頂いた、というニュアンスが近いのかもしれません。


 公認です。ですから、内容に対しては粛々と受け入れておりますし、批判も

文句も付ける気はございません。


 なぜそうなったのかは二人だけの秘密、なのですが、書いていいよと先に言ったのは私だということをお知らせしなければ、ただの言いがかりにしか見えないような所がありますので、説明させて頂きました。



 さて、ここから創作論っぽく展開しましょう。テーマは


「伝わる文章を書きましょう」


 人はなぜ、批判をするのか。それは、間違ったことを相手に伝え、多くの人に知らしめ、その考えが広まるのを阻止し、改心させるため。などではないでしょうか?


 私は、そういうレビューコメントを期待していました。

 そう、本当に楽しみに待っていたのです。


 いままで、いくつかの批判レビューコメントを頂いた事があります。

 私は消さないのですが、運営さんの判断で消されたものもあります。


 だから、私にとっては今回の批判レビューコメントは、楽しみでしかなかったのです。


(みなさんはやめて下さいね。批判したいなら感想欄に書くのがマナーです。なぜかというと、批判コメントの前に投稿された心を込めたレビューコメントが流されてしまうからです)


 感想欄で思いっきり批判して欲しかったのですが、広めたかったのでしょう。レビューコメントを選択したようです。



 話がそれました。わたしにとって、それは残念なコメントでした。





 伝わらない文章だったのです。


(これは、運営さんに消されるかも)


 それで、あわてて前回を立ち上げたのです。残すために。





 では、なぜそう思ったのか。そして、伝わる、伝わらないとはどういうことか分析します。(内容の批判ではありません)


 では、引用します。みなさんが見ることができるレビューコメントですし大丈夫でしょう。



……………………引用……………………

  酷い内容です。絶対に参考にしないでください。不幸になります




内容はめちゃくちゃで、参考になりません。


執筆初心者さんを惑わす悪い例です。

創作論ランキング一位とか言ってますが、全然この作者さんは大したことないです。


内容に間違いがあるので、評価をしないでください。

わからないことはプロの作家さんに聞きましょう。


……………………終了……………………


 分析からしましょう。

 一行ずつで、計5つのことを伝えようとしていますね。


タイトル


①参考にならないほどおかしい。(内容への批判)

②初心者に悪影響を与える。(読者への注意勧告)

③作者に対する他者の評価はあてにならない(作者への批判)

④間違いだらけなので評価しないで。(読者への要望)

⑤素人ではなく、プロに聞くように。(読者への提案)


 こんな感じでしょうか?


 意見の相違は問題にしませんが、あまりにもつたない文章でがっかりしました。


 言いたいことを言うのと、伝わる文章を書くというのは別のものだと、改めて確認することができました。


 何が足りないのでしょう。そう、批判をするには根拠を示さなければなりません。


 説得するには感情に訴えなければなりません。


 箇条書きでは伝わらないのです。



 今回、一人称をしつこく書いていたのは、一人称の文章は感情を乗せることができる、ということを伝えたかったからです。

 また、読みやすい文章でないと、伝わりづらいという現実があります。


 批判コメントは、書いた人も傷つけることがある諸刃の剣です。


 だからこそ、慎重に言葉を選び、根拠を示しながら、感情に訴える。そんな繊細かつ大胆な文章を書かなければ、ただのいちゃもんに見えてしまうのです。


 箇条書きでは残念ながら伝わりません。

 そして、具体的な批判を見たかったのは、私個人の欲でした。





 では、私ならどう書くか、実験してみましょう。

 自分への批判文章。楽しそうです。



  タイトル

≫酷い内容です。絶対に参考にしないでください。不幸になります


(みちの作)

「素人の創作論には気を付けて。鵜吞みにしないで」


 タイトルはこんな感じでしょうか? 注意喚起を全面に押し出してみました。

 内容が正しくても、悪口だと思われたら伝わる前に引かれてしまいます。


 怒り、より、心配。呪いの言葉、より、提案。

 私はそう思ってタイトルをつけてみました。





次。


≫内容はめちゃくちゃで、参考になりません。

①参考にならないほどおかしい。(内容への批判)



(みちの作)

 この創作論は、一見良さそうに見え評価も高いですが、重大な欠陥がいくつも見受けられます。

 人称(一人称・三人称)について書かれているのですが、個人的な感覚で書かれているため、正しい情報が分からなくなる危険性を秘めた「創作論とはとても言えない」、ただのお気持ちで書かれた文章です。




 こういうことを言いたかったのでしょうか? 人称について作者の理解が間違っていると提示しないと、読者は何について批判しているのが分かりません。

 具体的に引用しながら批判するのも分かりやすくするテクニックですね。自分の文章ではやりませんが。



 次


≫執筆初心者さんを惑わす悪い例です。

②初心者に悪影響を与える。(読者への注意勧告)



(みちの作)

 創作論に興味があるみなさん、特に初心者のみなさんは、創作論の良しあしを判断することが難しいでしょう。初めて見た、あるいは評価の高いものが良い創作論だと思いこんでしまうことがよくあります。

 ですが、初めに触れた創作論を正しいと思ってしまうと(特にこのような偏った個人的偏見で書かれた創作論です)あなたの執筆人生を不意にしてしまうかもしれません。

 この創作論は、「初心者に対して悪影響を及ぼす創作論」です。



 こういうことを言いたかったのではないでしょうか? 違います? 私ならこのくらいは最低書きますね。注意喚起の根拠として、「初めに触れた創作論を正しいと思ってしまうと(特にこのような偏った個人的偏見で書かれた創作論です)あなたの執筆人生を不意にしてしまうかもしれません。」は、いい具合に作者を否定しながら、創作論に対する警戒心を持つように誘導できる、そんな感じで書いてみました。



では次です。


≫創作論ランキング一位とか言ってますが、全然この作者さんは大したことないです。

③作者に対する他者の評価はあてにならない(作者への批判)


(みちの作)

 この創作論を書いた人は、カクヨムではそれなりの人気を持った方です。

 ですが、私は作品を読みましたが、文章としては酷い所が多く見受けられました。


 WEB小説の悪さが集約されています。


 個人の人気とファンのおかげで、たまたま一位になった創作論は、毒になっても薬になることはないのです。


内容に間違いがあるので、評価をしないでください。




 いい感じで作者をディスっています。落とすためには最初に持ち上げる。これが定石ですね。




もう少しです。頑張ります。


≫内容に間違いがあるので、評価をしないでください。

④間違いだらけなので評価しないで。(読者への要望)


(みちの作)

 小説を書くなら、決して遠回りをしてはいけません。

 この作者が、人気はあるのにコンテストで受賞できないのは、基本をおろそかにし、軽薄で間違った文章を書いているから、ではないでしょうか?


 あなたが、プロになりたいのであればこれだけは忘れないで下さい。

 正しい情報を得ること。間違った情報に惑わされないこと。


 一つ一つを丁寧に積み上げることが大切なのです。


 ですから、この創作論を評価することは、それだけで間違った情報を広めることになります。


 間違っても評価を入れてはいけません。

できるのならば、今まで評価した方も、低評価に切り替えてください。


 執筆初心者がまどわされることがないように。




 よく書けました! あなたのためを思って、感を思いっきり出してみました。

 毒親っぽいですが、説得とはそういうことです。

 やりすぎくらいがちょうどいいのではないでしょうか。



さあ、最後です。


≫わからないことはプロの作家さんに聞きましょう。

⑤素人ではなく、プロに聞くように。(読者への提案)


(みちの作) 

 では、どういった創作論を読めばいいのか。

 カクヨムで適当に書き散らされている創作論は、この創作論が証明しているようにほとんどが役に立たない、いや、むしろ害を及ぼす素人のたわごとの集まりです。


 あなたがよい小説を書きたいと、真に願っているのであれば、プロの知恵をお借りしなさい。


 書店にも図書館にも、プロが書いた創作論がたくさんあります。

 実績と実力を兼ねたプロが書いた創作論こそが、あなたを成長させてくれます。


 大切なことは、素人の創作論を鵜呑みにしないことです。

 そのためには、このような所で勉強しようと思わないことです。


 私に相談して下されば、よいアドバイスを行ってもいいです。


 とにかく、素人のたわごとに惑わされないように。


 あなたが、よい小説を書けることを祈っております。




 

 できました! いかがでしょうか?


 私が見たかったレビューコメントはこんな感じです。

 作者(私)に対する嫌味や煽りもふんだんに入れてみました。


 即興で書いたのですが、自画自賛してもいいでしょうか。



 私が思う、「読者に伝わる文章」は、こんな感じです。

 内容的には言いたかったであろうことを入れておりますし、かなり近いと自負しております。オリジナルに寄り添って書いたことを今一度宣言しておきます。



 文章を書くというのは、相手に伝えたい、という思いから出るものではないでしょうか?


 そのために言葉を選び、言葉を尽くし、無駄を省き、意図を明確にする。


 言いたいことを言うだけなら、飲み屋でぼやけばいいのです。


 小説を読み続けてもらう。それはとても難しいことです。

 そのために文章にリズム感を作り、感情を乗せ、伝えたいことを明確にする。


 ドキドキやワクワク、泣き笑い、様々な感情を伝えるのは本当に難しい。

 批判文はなおさらです。感情に流されて書くと伝わらないものです。


 難しいですね。





 私が書き始めた頃の短編に、最初に来たのが星1評価のレビューコメントでした。


『子猫の想い』、という児童文学です。こちらの作品です。

https://kakuyomu.jp/works/16817139556084492548


 星は確かに一つでしたが、私にはとても大切なレビューコメントでした。

 それを引用します。


……………………引用………………


切ないお話

★ Good!


にゃんこでほんわかしたい方向けてはなくて、切なくて悲しくて可哀想すぎて泣きたい方向けかと。


……………………終了………………


 ちゃんと読んでくれたのが分かります。その上で思っていたのと違うという残念な気持ちも。


 そして、読者に注意喚起をするために書いて下さっている思いが伝わってきました。


今でもたまに読み返しています。


 私みたいに長く書かなくても、本当に思いの伝わるレビューコメントです。


 思いを伝える文章は本当に難しいですが、それを放棄してしまわないようにしないと文章を書く意味はないのではないでしょうか。




 みちのあかりでした。




追記)

 この回を出した後、残念ながらレビューコメントは消えていました。


 残念だと思っていましたが、その後もう一度レビューコメントが投稿されました。

 内容的には前回の話と大きく違いが無かったのですが、若干違っていることを報告いたします。


 初心者様への注意喚起としてのコメントですので、いいねを推しておきました事を報告させて頂きます。



追記)

 二つ目のレビューコメントは、作者本人が削除をなさいました。

 私から要求したことでも、運営からの指導でもなく、自主的な削除でした。



 

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