概要
私の妹は死んだはずなのに、あの日の赤い糸は繋がれたままだ。百合ホラー。
小学生の頃、姉妹は小指に赤い毛糸を結んだ。
「お姉ちゃん、ほどいちゃだめだよ」
――幼い妹の笑顔と約束は、子供じみた遊びのはずだった。
しかし、その約束を果たす前に妹は事故で命を落とす。葬儀を過ぎても姉の小指には、存在しないはずの赤い糸が幻のように絡みついていた。切ろうとしても切れず、やがてその糸は声を伴って囁く。
「お姉ちゃんは、私のものだから」
異性と会えば、友人と笑い合えば、糸は嫉妬の熱で焼きつき、孤独へと追い詰める。鏡に映る妹の影と声に縛られながら、姉は次第に抗う力を失っていく。
――これは呪いか、それとも愛か。
確かなのはただひとつ。私はまだ、死んだ妹と赤い糸で結ばれている。
※ 一話完結。