各話に繋がりがなく、一本数分もかからずに読めてしまうので、暇を持て余した時に最適の作品集といえるだろう。
個性的で現代的、それでいてバラエティに富んだ作品たちなので、必ず好みの作品が見つかること必須。
掌編や短編と言った物語がプロの中でもすたれいる現在に置いて、このような作品がランキングの上位にいることはとても有意義であり、カクヨムの可能性を感じさせる一本。
作者には、ぜひこのスタイルで百本作品を完成させていただきたい。
個人的なおススメは第18話の『アリとキリギリス』。
現代的であり、とても皮肉の利いた一本である。必死に働く多くの人たちは、この物語に何か感じずにはいられないだろう。
62話という話数は長丁場に見えて、1話最大400文字という事を考えれば、
一気読みするなり、1日10話前後読んで1週間かけるなり、自分のペースで読む
には程よい長さ。
その400文字を起承転結で分ける……しかも1話1話が読み切りなのでまず
は状況説明をしなくてはならない……その悪条件をいかにメリットに変えてしま
ったのか……読んだあなたは目撃する事となります。
そしてこの作品のジャンルは現代ドラマ……
学校での男女の会話ならクラスメート同士の会話。
秘書が出て来ればもう1人は社長……
駅なら……と2文字前後でどの場所での出来事かがすぐ様イメージ出来るのは
現代ドラマならではの強みであり、日本語の力でもあります。
毎回待ち構えているオチの部分は数行……
その行に圧倒され、それが62回も楽しめる……
さてこのレビューも400文字が近付いて来ました。
これは、その400文字で何が出来るかを堪能する作品。