クトゥルフ神話だからと言って必ずしもホラーである必要がないのは、某ニャル子さんでさんざん学びましたが、本作もそれに比肩し得るエポックメイキングです。
メカ物。
クトゥルフでメカ物。
邪神の力を借りた「魔法使い」たちが機械を操って戦闘する…読むもの全てが斬新で、発想の豊かさに驚かされました。
時に遺跡探索、時に護衛任務をこなしつつ、アザトース復活をもくろむ「虚無教団」と熾烈な戦いの火蓋を切って落とします。特に序盤の山場であるクトゥグア戦は息を呑みました。
また、各話の副題に見られるように、有名作品の引用やパロディも満載で面白いです。主人公が漫画家志望の高校生だったこともあり、アニメや特撮の台詞をぽつりと呟いたり、なぞらえたりして、読者をクスリと笑わせるおもてなし。
毎回挿入される「前回までのケイオスハウル!」や「次回予告」も、平成ライダーを彷彿とさせる熱い語り口で好感触でした。
展開は王道バトル漫画のような手堅いストーリー。クトゥルフ神話と絡めて物語が進んでいくのが新鮮かつ話の密度をより濃くしています。使い古された正義の概念と少し距離を開けた部分や、主人公がアズライトスフィア人やチクタクマンの考え方に影響されつつ、自分に出来る限り人間らしく事を成そうとする泥臭い部分が僕的には好きです。間違いなくカクヨムで掲載されているロボット作品の中でも上位に位置する作品でしょう。
だからこそ、完成度が高いからこそ細かい部分が気になってしまいます。某所でも講評されていたように地の文と喋り口調にズレがあること、会話が説明的過ぎること、おおよそ口語とは思えない話し方をすることがあること等。パロディネタは知ってる人には楽しいですが、前面に出し過ぎると知らない人は混乱してしまいます。分かる人には分かる、分からない人も何となく面白い、ぐらいの絶妙な距離感を保った方が、みんなが楽しめる作品になると思います。
生意気言ってすいません。ですが、僕はケイオスハウルがもっと面白しろくなり、沢山の人に楽しんでもらえればと、心より願っています。
現実に基づいた知識と、別世界の様相を照らし合わせて齎される差異――
位相のズレから見出す基幹技術の考証によって、その世界の理解を深めていく描写がもうたまらん!
いやぁ大好きなんですよねこういうの。
混然一体となって難解になった世界構造を追うこともさることながら、
サスケ君を通して得られる男子らしい感性に、同調率の高まりを抑え切れません。
ボディースーツそのものなのか。その中身なのか。それとも両方なのか。
分かるぞその偏った知識好奇心のパトスが振り切ってブレイクスルーしちゃいそうになる気持ち。痛いくらいになぁ!
拡張性の高い機体に、成長性の高い主人公が合わさり最強に見える!
ここまでの成長要素を詰め込んでくれたのは、大いなる英断といっても過言じゃありません!
ケイさんといい男の子の大好きな要素てんこ盛りで最高だよぅ
後の思わぬ遭遇では、白兵戦に移行するのカナーと思った安易な自分を殴りたくなりました。
だって散々ド派手な戦闘を積み重ねてた作品がいきなり知能戦に移行するとは思いませんよ! やられた!
ディープワン戦でも覗かせた機転の早さと発想力! 持ち前の素養を如何なく発揮させたハッタリの応酬に総毛立ちます。
ステージ2の大元すら色んな意味で攻略しちゃったサスケ君、君はいったいどこまで発展を遂げるというのだ。
ではまた! 本日もお疲れ様です。
【とりあえず第一章読了でのレビューとなります】
不穏を感じさせる第ゼロ話、そして死から転じて全身義体へとその身を変えるという怒涛の第一話を読んで、これは読ませる作品だと思わせる。
実際、そのあとのミ=ゴとの戦闘や、ラーズグリーズを操るナミハナとの出会い、ディープワンと呼ばれる神話生物との決戦など期待を裏切らない。
個人的にはチクタクマンの存在がいいですね。ヴァンパイア・ハンターDで言うところの、『人面疽』みたいな立ち居地で、この邪神がいれば佐助は大丈夫だろうという安心感がにじみ出ていました。
ガンダムへのオマージュをひしひしと感じるロボット物。そして男のロマンを掻き立てるケイオスハウル、かっくいぃねっ! 皆さんも是非ご一読を♪
この手のはデ○ベしか知らなかったのでまずそれが過ぎるわけですが、あれほどスーパーヒーローという感じではありません。
邪神の製造したロボット、ケイオスハウルのパイロットになった主人公が異世界で仲間と一緒に遺跡を探索したり悪人をこらしめたり名状しがたい方々をやっつけたりするそんな物語です。
ギルドに所属して依頼を受けるあたり、昨今の異世界転生ものに慣れた人なら入りやすいのではないでしょうか。
肝心のメカシーンはクトゥルフ関連の用語も飛び交い迫力があります。チート級のロボットですが結構ピンチになったり、緊迫感の演出も上手です。この辺りだけでも一読の価値があるかと。かなり書き慣れた感じがして読み応えがありました。
時折差し込まれるパロネタはちょっと好き嫌いわかれるかも?