蛙の味はあっさりしてて、ほのかにしょっぱい。


理不尽に道から外された主人公が、底抜けに明るくてトんでる幼馴染サチコとともに人生を脱線するという話。

読み心地は軽快そのもの。障害物のない、どこまでも青い空や濃い緑、白い道が続く、田舎の光景を思わせる。
でも、大人のふたりは知っている。実際はどこまでも続いてはいないことを。

バカをやりながら、アホだと笑いながら、それでも半ば冷めている。肩透かしと空回りを繰り返しながら、それでも諦めきれずにぶつかりたかった。
そんな感じがほのかにしょっぱい。

読み口軽めでしっかり酔える一作。

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