これは、一人の少女が大きな悲しみを背負い、そしてそれから解放される物語だ。初めの章を読んだ時、主人公となる一人の「慧眼の少女」を「嫌なヤツ」と感じる方もいるだろう。しかし、この少女の悲しみの深さ、思いの大きさに徐々に気づいていく。そして本編のもう一人の「慧眼の少女」との対面、対決を通じて、「慧眼の少女」は自身の背負ってきたものから解放される。本編の「慧眼の少女」とここに出てくる「慧眼の少女」はまるで合わせ鏡のようだ。そしてこの作品自体も、本編のスピンオフながら、本編と合わせ鏡のような構成になっているのが良かった。
天才同士の熾烈な頭脳戦も見事に表現され、それでいて人間関係もおろそかにならない。そこがこの作者様の素晴らしいところだ。本当に「見事」としか言いようがない。
天才女子高生がその明晰な頭脳を駆使して、降りかかる難問を解決する物語です。
今読了し、大きく溜息をついております。とんでもなく面白く小説に出会い、堪能させていただいた心地よい疲労感を味わっております。
これほどの心躍る物語が、このカクヨムにはあったんだ! と叫びたいほどです。
徹底的に練り込まれたストーリーは、もはや書籍として遜色ない完成度。登場するキャラクターたちは、それぞれが役どころをしっかりと演じており、読み手の頭の中を駆けまわります。
張られた伏線が絶妙に回収されていく様は、お見事! 溜飲が下がるとは、この事です。
スピンオフということなので、本編を何がなんでも拝読いたしたいと、渇望しております。
カクかた、ヨムかた、すべてのかたにお読みいただきたいと、声を大にして宣伝いたします!
これほどの物語、ありがとうございます!
Web小説としては珍しい医療系ミステリ『深緋の恵投』を書かれた銀鏡怜尚氏の最新作です。
完結お疲れ様でした。
作品内容は、前作のスピンオフ的前日譚で、両作を跨いで複数のキャラクターが出演し、主にヒロインである優梨やその友人たちを巡る物語が繰り広げられます。
ただしスピンオフとはいえ、そのボリュームは17万5000字と前作にも迫る勢い。『深緋~』で活躍したキャラクターたちが躍動する姿を、今作でもたっぷりと堪能することができます。
前作のミステリから現代ドラマへとジャンルのカテゴリは変化していますが、物語が進むにつれて重要なカギとなる医療ネタは健在。
前作から継続して銀鏡氏の作品をお読みになっている方はもちろん、青春小説や理系小説がお好きな方にもオススメです。
素晴らしい!
前作を拝読して舌を巻きましたが、今作では尻尾を巻きそうです。
高校生らしい感情の高まり、どうしようもないほどの青春期の悩みが、リアルに描かれています。
憧れの存在に近づき、超えたくて奮闘する少女の努力は凄まじい。その病的なまでの執着を生んだ存在の登場は思いもかけずアッサリとしていましたが、アレがソレでなくて、本当に良かったです。
ちなみに私もAB型です♪
天才タイプではなくて、変態タイプだと自認しております。
そうです。ABにも、イロイロあるのですよ~。
でも、この物語の少女は天才型です。ライバルを宣言している少女も、ある意味では天才です。
彼女たちのこれからが、非常に楽しみです。