テレビの特撮ヒーロー番組の製作者たちを描いた業界モノ。
映画畑から突然テレビ、しかも特撮ヒーローシリーズのプロデューサーへと移動を命じられた女性主人公は勿論のこと、作品作りに一切の妥協をせず周りと衝突しながらも冴え渡る腕前でスタッフたちを魅了するロートルの監督、そんな監督に反目する前シリーズのプロデューサー、ヒーロー物なんて所詮は子供だましだと豪語する若手俳優など、どのキャラもリアルで血が通っている。読んでいて「上手いなぁ」と舌を巻きました。
また、物語の展開は遅いものの、それだけじっくりとドラマを見せてくれますね。文章力の高さもあって、とても「読ませる」内容になっています。
正直、読み終えても「もっと読みたい」と思いました。近況を見ると、後半を書き直しているとのこと。これは楽しみです。
ちなみに東映の撮影所、今は大きなマンションが建っているところはかつて撮影所の敷地内で、十五年ほど前はよくそこでロケをやっていました。近くに住んでいたのですが、ヒーロモノの爆発シーンの撮影が行われる度にアパートの窓がその衝動で震えたものですw