ネタで終わらず、確かにSF!

ツイッターで紹介が流れてきたので読んでみたら、夜更かしして一気に読了してしまいました。これは一発ネタで終わらず、確かにSFをやっていると納得できます。
まず、絵面が凄い。自律的に拡大し続ける「横浜駅」のシュールな光景の描写は、第1話冒頭の書き出しからインパクトがあります。自然の地形と融合することで生み出される「横浜駅」の多様な姿は、物語の全体に渡って読者を飽きさせることなく楽しませてくれます。
次に、背景。物語が進むうちに得られる情報から、シュールな絵面の裏側にある、「横浜駅」やその内外の組織・システムが次第に把握できてくるところ、そしてそれぞれの仕組みどうしが絡みあい、事態が次々と発展していく様子からは、SFの醍醐味を存分に味わえるでしょう。
登場人物の性格の好みは人それぞれでしょうが、個人的にはギークやAIみたいなズレた性格が好きなので、良かったです。
ところで、既に増発分が公開されていますが、それでもまだ明かされていない謎が残っているのが気になります。今後、さらなる続編が書かれることはあるのでしょうか? 出るのであれば、是非読みたいと思います。

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横浜駅SF