恋心とは、抜き身でいて抜け目のない感覚をもたらす“魔法”である。

外からきた世界観を内に受け入れ、なあなあで歩んできた少女と、
内からきた世界観を外に形成させようと、努力を惜しまない少女の物語。

仮に、当人の希望と方向性によって醸成された環境を、世界と定義するなら
彼、いや彼女との出会いでうららちゃんの世界観は拡張されたと言っていい。
現に、それを告白という形で吐露して、彼女との世界を希望したのはうららちゃんなのだから。
うららちゃんは「はっきりした目標もなくとりあえず生きている」と自分をなじったが、あの瞬間にはもう一貫して彼女のために奔走していた。

あの気高い精神のどこに腑抜けの余地があるのか! なんて謙虚でいじらしい子なのだ! お前はキンモクセイの花言葉かと!
底抜けに楽しい気持ちをくれるコメディが迷彩となり分かりづらいが、ここまで完成されたキャラ造形には脱帽の一言です。
ここから二人の世界が始まると思うともう涙とよだれとその他もろもろが止まりません。なにもかも垂れ流しながらで恐縮ですが、二話も楽しみに待っています。

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