最初に言っておきますが、まだ読み始めて序盤です。
正直なところ、異世界モノは転生も転移もあまり期待せずに読み始めるタイプの人間なのです。で、す、が――
褒め言葉として捉えて頂きたいのですが、あえて言わせてください。
『なんやこれwww』
ありがちなテンプレ進行を冒頭から叩き潰してくる展開、こちらの疑問を全て薙ぎ払ってくる圧倒的な勢い、なのに小気味よい会話のテンポとコメディのジャブ。
いったいどうしたらこれだけの、呆れを通り越して感心してしまう(褒めてます)怒濤の勢いを維持できるのか、読みながら作者様のお身体が心配になるほどです。
冒頭にも書きましたが、まだ読み始めてすぐの序盤であり、もしかすると壮大な伏線等が仕込まれていて後半で驚かせられるのかもしれません。しかし、話数が進む毎に「違う、これはそんな読み方をするお話じゃない……!」と思わせてくれます。
完結済みですので、安心してこの勢いの荒波に身を委ねさせて頂きます。
とにかく、細かいことは気にせず、まずは読み始めることをオススメします!
物語の中心が語り手というわけではなく、他のキャラというのがとても斬新でした!
語り手が読者の気持ちを気持ちよく代弁してくれる場面が多いため、言いたいことを任せて読書に集中することが可能なところが魅力!
まだ読み始めの序盤であり、問題行動を起こす仲間に多くの謎が潜んでおり、名前や服装などところどころで正体が見え隠れしてそうな雰囲気を出しています。
ですが、話を読み進めるごとに正体はなんでもいいんじゃないか、そんな気にさえさせてくれるほど、自由気ままなストーリーが展開されています。
話の勢いを維持するのはとても大変そうに思えますが、ぜひとも駆け抜けてほしいという期待を込めてレビューさせていただきました!
これまでいくつかレビューを書いてきましたが、この物語ほど内容の要約に頭を悩ませたものはありません。
レビューのタイトルに書いたように、ノリと勢いが最優先であり(だいたい兵藤のせい)その他のあれこれを犠牲にしているので、理屈で考えるよりその場のノリと勢いで読んだほうがいいです。
世界観としても、東洋関わらず神話寓話SFエトセトラ混ざっているんですが、むしろおもしろいシーンを作るための取っ掛かりとしてうまく機能しています。
構成はもちろんギャグシーンが優先なので、とにかく起承転結の転がひたすら続く感じですね。
たとえば作品紹介の欄に『異世界から日本へ戻る』って書いてあるのに、ふと気づいたらそんな概念吹っ飛んで、地球が消えるとか、あの世を冒険するとか、どうしてこうなった????
はい、だいたい兵藤のせいです。
そういう物語なんです。
不条理ギャグとか、展開が激しい物語が好きな人には刺さると思うので、試しに読んでみてください。
というか、一度読んでみないことには、この作品の魅力は伝わらないと思います。