概要
振り向いても、そこには――涼宮ハルヒは居ない。
中学生の時、偶然手に取った小説の表紙には、セーラー服姿が可愛らしい一人の少女が描かれていた。その小説の内容はと言うと、主人公である男子生徒が、表紙に描かれている少女に振り回される、と言う内容だった。
中でも彼女が自己紹介をする場面で、
「ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
そう述べた彼女に、衝撃を覚えたのを今でも鮮明に覚えている。その日から僕は、どこかに彼女が居ないだろうかと、探し求めるようになった。しかし、居るはずなんて無いのだ。なぜなら、彼女は小説の中の登場人物なのだから。
そして、今年の春。
僕は、彼女――涼宮ハルヒと同じ、高校一年生になったのだ。