それが抗えない運命ならば……

絶望からはじまる物語は、さらに不穏な空気を纏いながら読む者を惹きつける。
どうか、重く冷たく、どこかしっとりと湿り気を帯びたような、この世界の中へ入ってみて欲しい。その心で感じて欲しい。
読み進んだとき、あなたの心がどう変化していくか、我と我が身を俯瞰してみてもらいたい。
幸い、この場での物語は、まだはじまったばかり。
主人公の「これから」をじっくり追い、作者一流の優しく残酷なバッドエンドを堪能することをお薦めしたい。