小説は自分のやりたいことを書き連ねるのではなく、やはり物語を丁寧に語っていくのが大事だと思うのです。『また会えるよね…… 』は、ラストをちゃんと見すえて物語が書かれている、と感じました。面白かったし、感動しました。こういう小説を、もっと読みたいです。
まず初めに、完結お疲れ様です。連載時から読ませていただいておりました。さて、人類を蝕み悲嘆させるウイルス。それを無かったことにするために過去へタイムスリップするミリアとヴェルト。そこで出会う人々との関係とそこで起きる様々な出来事。そこにあるのは希望か絶望かー。ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、完読すると題名「また会えるよね……?」の意味が少し分かるように感じます。
人々の命を奪い、猛威を振るう凶暴なウィルス。この物語の主人公たちは、それと戦うために、いちかばちかの賭けに出る。自分たちが失った命に思いを馳せ、強い気持ちだけを武器に。頑強な肉体やチートな能力があるわけじゃない。それでも少年と少女は、大切な人たちを守りたくて必死だ。彼らを待ち受けるのが陥穽であるのか、希望であるのか、気になって目が離せなくなる。願わくば希望の方でありますように!
過去に戻り、現在で猛威を振るうウイルスに対抗しようとするハリウッド的な展開の作品(あらすじで書かれている分に関してはネタバレにあたらないと判断)惜しむらくは、あらすじで前半の内容が描かれてしまうため、あらすじ以降の展開までのじれったさが割り増しで感じられてしまう点。展開を早くして、とまでは言いませんがどうしてもスピード感に欠けてしまうと、個人的には感じました。現時点の最新話(16話)で展開が出てきたこともあり、今後の流れに期待しています。
恐ろしいウイルスで両親を亡くした最悪な幼少時代通常ならば、気が動転するしかし、彼はそれを越える憎悪をウイルスに向け、生きる原動力にした彼はブレることなく成長し、運命にあがらうウイルスの脅威に怯える人々とそれに立ち向かう少年少女果たして、彼らの未来はどちらだろうか……心に迷いが出ないはずがない、しかし彼は逃げず、闘うことを決めた彼の強さを、行く末を、その瞳に焼きつけろ
世界を変える為タイムマシンで待望のタイムリープをした高校一年生の少年・ヴェルト、そしてヴェルトが無鉄砲なのもあり心配で心配でたまらない同い年の美少女・ミリア。過去の世界でも常に行動を共にする2人だけど。「お前は俺の母親か!!」とミリアちゃんにツッコむヴェルトが笑える(笑)。一見、健気なミリアちゃんだけど要はヴェルト以外アウトオブ眼中!本当に過去を変えれるのか!!まだまだ暗中模索で前途多難だけど生半可な気持ちではないヴェルトとミリアちゃんの今後の行動をチェック!
ウィルスに恐怖する世界。それでも、様々な人と出会い、支えながら生きていくことには変わりありません。同じ境遇を抱えていたり、同じ目標を掲げていたり、ウィルスがあるからこそ、生まれた人間愛が悲しくも美しい作品です。主人公がどう世界を救うのか、楽しみです!