恋人同士に見えるのにそうじゃない聖騎士と王女の純愛焦らし×壮絶戦記物語

 周りから見たら明らかに『恋人』なのに、当人同士はそう思ってないという聖騎士ブレイヴと王女レオナ。ブレイヴはレオナに危ないことはしてほしくないのだけれど、レオナは自分から突っ走ったり、ブレイヴを黙らせられるほどの切り札を持ってたりするので悩みどころ。
 そんな二人の純愛焦らし物語と、山と谷だらけの壮絶な旅の戦記が織り成す物語が『イレスダートの聖騎士』です。

 物語を彩るのは、多くの登場人物。群像劇の側面も持つだけあって、一人ひとりが、そこまで書くの? というくらい深く丁寧に描かれています。そんなキャラクターが30人、40人といたら? 息遣いまで聞こえてきそうな勢いで臨場感が増しますよね。
 さらにその世界観も同様に深く作り込まれて描かれていたら、本当にこの場所があるんじゃないかってわくわくしてきますよね。

 しかもそれらを綴る文章が美しい。前述の項が活き活きと紡がれている描写力。加えて繊細な言葉遣い、文学らしい豊富な語彙。もう読んでるだけで良い気分。
 一緒に泣いたり笑ったりしながら、旅をしている気分にとっぷり浸れること確定なのです。

 うんうんそうだよねと共感くださっている既読ファンのあなたには、二周目のススメです。
 長編であることに加えて、巧みな伏線がちりばめられていることはご承知の通り。それらを知った上で読むイレスダートもかなり良いです。
 私自身、物語前半を二周しましたが、まさに伏線アハ体験でした!

 そして物語後半が盛り上がり始める中、私の注目はクライドとフレイア。(注:非公式の私の推しです)
 そういう目線で見ると、進行上なんでもない描写がそう見えてくるから不思議なもので、勝手に期待しています。
 非公式とはいえ、声を上げ続けていれば未来は変わるかもしれないっ! という願いを込めて。共感くださる方、ぜひ一緒に声を出していきましょう♪

 そして、いつか、いつの日か、この物語を紙の本で読みたい。
 そんな未来のために、いっぱい読んで、一緒に応援いたしましょう。

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