概要
その狼が喰らったのは肉ではなく名前だった――七つの童話その原典を語ろう
赤ずきん。人魚姫。シンデレラ。白雪姫。眠れる森の美女。ヘンゼルとグレーテル。青ひげ。
誰もが知っている、七つの童話。
けれど――それらが子どもたちへ語られる「童話」になるより、遥か昔。
狼は肉ではなく《名》を喰らい、
海の娘は恋のためではなく、自分の《潮名》を求めて陸へ上がった。
灰かぶりの娘は灰の下に本当の名を隠し、
雪肌の姫は鏡に記録されたことで死を与えられ、
百年眠ったのは姫ひとりではなく、王国そのものだった。
パン屑の消えた森では、子どもたちが互いの名を呼び、
開けてはならない部屋では、歴史から消された花嫁たちの記録が眠っている。
これは、童話を書き換える物語ではない。
後の世で童話と呼ばれることになる、
正史にも神話にも残らなかった物語の《残響》。
語り部リラ=ファブ
誰もが知っている、七つの童話。
けれど――それらが子どもたちへ語られる「童話」になるより、遥か昔。
狼は肉ではなく《名》を喰らい、
海の娘は恋のためではなく、自分の《潮名》を求めて陸へ上がった。
灰かぶりの娘は灰の下に本当の名を隠し、
雪肌の姫は鏡に記録されたことで死を与えられ、
百年眠ったのは姫ひとりではなく、王国そのものだった。
パン屑の消えた森では、子どもたちが互いの名を呼び、
開けてはならない部屋では、歴史から消された花嫁たちの記録が眠っている。
これは、童話を書き換える物語ではない。
後の世で童話と呼ばれることになる、
正史にも神話にも残らなかった物語の《残響》。
語り部リラ=ファブ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!名前を呼ぶ、その温かさと怖さが忘れられない
第二夜まで読んでの感想です。
赤ずきんや人魚姫が、まだ私たちの知る童話になる前の物語。そんな語りに誘われて読み始め、いつの間にか、この世界で名前を失うことの恐ろしさに引き込まれていました。
親しい人の声に返事をする。誰かに名前を呼んでもらう。普段なら何気ないことが、森では怖く、海辺では胸が痛くなるほど大切に感じられます。
第一夜では、少女と祖母のやり取りに温かさを感じました。第二夜では、周りの人が優しいからこそ行き場のない、人魚の娘の気持ちが切なかったです。彼女たちが何を守ろうとするのか、最後まで見届けたくなりました。
読み終えると、赤い頭巾にも、浜辺の白い泡にも、もうひとつの物語が…続きを読む