概要
原因は分かりません。それでも、処方は決まります。
なみやみ山のふもと、中居の集落。二十三世帯。
神格鑑定局神無瀬支部は、月に一度、神域に近い居住区に巡回診療車を出している。乗っているのは若手職員の久我と、三七式巡回診療支援機――通称アヤ。
その日、住民二十人のうち十九人が「なんともない」と答えた。
計測値は、二十人全員が神威曝露の陽性を示していた。
症状を訴えたのは、九十三歳の楢崎ただ一人。
彼はこう言った。「この集落の水は、飲むな」
だが本機が三度検査しても、井戸の水は陰性だった。
原因の分からない不調に、漢方はどう向き合うのか。
腹を診られないロボットと、朝四時に呼び出される嘱託医の記録。
カクヨムシェアワールド「神格鑑定局」小説コンテスト【ナツガタリ'26】一般部門参加作
神格鑑定局神無瀬支部は、月に一度、神域に近い居住区に巡回診療車を出している。乗っているのは若手職員の久我と、三七式巡回診療支援機――通称アヤ。
その日、住民二十人のうち十九人が「なんともない」と答えた。
計測値は、二十人全員が神威曝露の陽性を示していた。
症状を訴えたのは、九十三歳の楢崎ただ一人。
彼はこう言った。「この集落の水は、飲むな」
だが本機が三度検査しても、井戸の水は陰性だった。
原因の分からない不調に、漢方はどう向き合うのか。
腹を診られないロボットと、朝四時に呼び出される嘱託医の記録。
カクヨムシェアワールド「神格鑑定局」小説コンテスト【ナツガタリ'26】一般部門参加作
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