概要
AIの普及が進んだ未来の世界。
そんな世界で、需要が急激に上がっていった仕事。『謝罪代行』
主人公霞野草真もまた、そんな謝罪代行事務所で働いている。
だが、毎日他人の代わりに謝り続ける彼には、『どうしても謝れない相手』がいた。
そんな中、その『どうしても謝れない相手』が目の前に現れて……。
ただ謝るだけなのに、どうしてこうも難しいのだろうか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!謝る仕事の先に、自分を赦す物語
他人に代わって頭を下げ、その人が言えなかった言葉を届ける「謝罪代行サービス」。そこで働く霞野草真と、新人・薔薇寺紫を中心に描かれる、温かくて少し切ない人間ドラマです。
浮気や家族のすれ違い、SNSでの炎上など、持ち込まれる事情はさまざま。単に上手な謝罪を披露するのではなく、傷ついた側が何を求めているのか、許すことと向き合うことはどう違うのかまで丁寧に描かれています。
そんな草真自身にも、十年以上謝れずにいる相手がいました。他人の感情は読み取れるのに、自分の本心からは逃げ続けてしまう。彼が後輩や仲間に支えられ、自分を責め続ける生き方から一歩踏み出していく姿が、本作の大きな見どころです。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰かの「ごめんなさい」を届けながら、自分の後悔と向き合っていく
夢を追う幼馴染に、絶対に言ってはいけない言葉をぶつけてしまった少年。その苦い後悔から始まり、物語は「謝罪代行」という珍しい仕事へつながっていきます。
謝罪とは、ただ頭を下げることではなく、相手の感情を読み、本当に求めている言葉を届けること。依頼人に代わって言葉を伝える場面には、それぞれ違った人生や、長い間すれ違ってきた人々の想いが詰まっていて胸を打たれました。
相手の心を読む草真の「読心型」と、依頼人の感情そのものになりきる薔薇寺の「同化型」という設定も面白いです。特に同化型には、自分と他人の境界を失ってしまう危険があり、明るく素直な薔薇寺がいつか壊れてしまわないかという不安も残ります。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「許すこと」と「もう一度向き合うこと」は違う。謝罪に滲む人間ドラマ
「謝罪代行」という仕事を軸に、人と人との間に残った後悔や未練を描いているのが印象的でした!
草真の「読心型」と薔薇寺の「同化型」という対照的な謝罪スタイルが面白く、二人の掛け合いにも自然と惹かれます。
三角夫妻のエピソードでは、「許すこと」と「もう一度向き合うこと」は別なのだという描き方が心に残りました。
そして、他人の謝罪を届け続ける草真自身には、かつて幼馴染へ言えなかった謝罪が残っている。この設定がとても効いています。
いつか草真が、自分自身の言葉で過去と向き合う瞬間が来るのか、続きを読みたくなりました! - ★★★ Excellent!!!“謝り屋”が謝れなかった過去に向き合う時と、その先に――
「謝罪代行業者」というユニークな職種名を創造した上で、従事者も依頼人も問題および心理的側面でもリアリティにあふれるのがまず面白いトコロです。
その上で主人公・草間が序盤にて
“最も厄介な常連の依頼人”の心を
見事に解きほぐし導いた解決作の妙には、
「人の昏く重く痛い内面に踏み込むプロであり、
かつ人として“他者に寄り添い、最も納得のいく解答を示す”」
仕事への、および人としての真摯な姿勢が窺え、好感が持てます。
そこまで他者の気持ちに配慮し得るやり手な“謝り屋”であるはずの草間ですが、過去に幼馴染の蘭に思わず吐いたひと言を10年も引きずったまま。
偶然にも再会した蘭は草間を赦…続きを読む