概要
営業成績――つまり、数字である。
数字を積めば家は栄え、失敗すれば領地も家名も失う。
――なんだ。前世と同じじゃん。
過労の末に営業車で事故に遭ったメガバンク行員のあたしは、没落寸前の男爵令嬢シャルロットに転生していた。
あたしの武器は、前世で叩き込まれた銀行員の知識と、理不尽なノルマにも折れなかった営業根性だけ。
飛び込み営業、新規融資、借り換え、企業買収、事業再生――。
生まれも育ちも完璧な才女カトリーヌと競い、ときに手を組んで、地方の小さな案件から王都の大商い、やがて本部を揺るがす大型案件へ。
だが待っているのは、朝から見込み案件を詰められる材料会議――通称「一番搾り」や、どれほど数字を積み上げても、期が変わればすべ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!乙女が天秤にかけるのは、金貨と――
前世で銀行員であった転生令嬢が、難問と向き合いながら、己の道を選び取っていくストーリーです。
チート能力や魔法などありません。
ヒロインであるシャルロットの武器は、前世で積み上げた経験と知識。それを生かし思考し続ける頭脳、ひたすら前へと突き進む行動力のみ。実にシンプル。
それだけに、シャルロットが問題を前にし、思い悩み、奮闘する様がリアルで、つい応援したくなります。
金融と聞くと難しそうと思う方もいらっしゃるかもしれません。私もそうです。数字にもお金の話にも疎く、ついて行けるかなと思っておりました。
しかしそれは杞憂でした。
作者様に金融業界について充分な知識があるた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!現代知識より強い武器は、足と信用と、最高の好敵手。
【知識だけでは勝てない。足と信用で道を拓く銀商物語】
異世界転生で現代の銀行知識を使い、華麗に無双する物語――と思いきや、シャルロットの仕事は驚くほど愚直です。
顧客のもとへ足を運び、人との信用をつなぎ、帳簿を一から洗い直す。専門家や仲間を巻き込み、チームで一つの商いを成立させていく。その手順は現代の銀行営業にも通じ、結果だけではなく、そこへ至る過程に説得力と面白さがあります。
金融や事業再生という難しい題材も、物語の中で一つずつ丁寧に、優しく分かりやすく描かれています。
同期のカトリーヌとの関係も大きな魅力です。ライバルのようで、バディのようで、ときには師のようでもある。互いの手腕…続きを読む - ★★★ Excellent!!!金融ファンタジーなのに、こんなにも人間くさい
「数字が人格」という題名を見たとき、もっと冷たい物語なのかなと思っていました。でも読み進めるほど、むしろ「人の価値は数字だけで決まるのだろうか」と問いかけられている気がします。
特に気になるのが、カトリーヌさんです。家柄も人脈も持っていて、主人公のシャルロットとは最初から立っている場所が違う。それなのに、ただの嫌なライバルには見えません。競いながら相手を見て、認めるところは認めているような。不思議な距離感がとても好きです。
シャルロットも、前世の知識だけで何でも解決する人ではありません。考えて、失敗して、人に助けられて、また考える。その姿を見ていると、仕事とは数字を作ることなのか、…続きを読む