概要
触れた手に力が通う。惹かれあった分だけ、正確に。
歩兵のクレイは、連れ去られた妹を追うために、誰も志願しない任務を受け続けてきた。「使い捨て」の区分の兵だ。
その彼が護送することになったのは、帝国の切り札と呼ばれる少女だった。
書類の上で、少女は人ではなく物として運ばれている。
少女に触れた瞬間、クレイには、赤黒い細い線が見えた。
竜はもう、一頭も生きていない。
街灯は光竜の眼がまだ光り続けているだけだ。列車は地竜の背骨の上を走り、骸の呼吸が炉へ風を送り込む。
千年前に死んだ竜たちが、やめられない動作を繰り返している。
人間の暮らしも、産業も、戦争も、死骸の上に建っている。
少女が振るうのは、その死骸の力だった。
力は強すぎて、近づかれると撃つことができない。
自分ごと吹き飛ばすからだ。
クレイに見えた赤黒い線は、敵の力が流れる道だっ
その彼が護送することになったのは、帝国の切り札と呼ばれる少女だった。
書類の上で、少女は人ではなく物として運ばれている。
少女に触れた瞬間、クレイには、赤黒い細い線が見えた。
竜はもう、一頭も生きていない。
街灯は光竜の眼がまだ光り続けているだけだ。列車は地竜の背骨の上を走り、骸の呼吸が炉へ風を送り込む。
千年前に死んだ竜たちが、やめられない動作を繰り返している。
人間の暮らしも、産業も、戦争も、死骸の上に建っている。
少女が振るうのは、その死骸の力だった。
力は強すぎて、近づかれると撃つことができない。
自分ごと吹き飛ばすからだ。
クレイに見えた赤黒い線は、敵の力が流れる道だっ