概要
デビュー五周年を迎え、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの六人組男女混合ダンスボーカルユニット、BLUE BIRTH。
彼らは幼少時代、様々な苦難やトラウマを抱え傷付き、その苦しさのあまり自死を選ぼうとしてしまう程の悲惨な過去を経験してきた。
しかし大人になった今、ステージに立ち夢を掴み取ったことで、自分を誇りに思える人間へと成長していたのだ。
──普通なら、これでハッピーエンドだ。
過去にそれぞれの傷を抱えた彼らが、それらを乗り越え希望を手にするまでのサクセスストーリー。
もしもこれが御伽話なら、めでたしめでたし、で物語は締め括られるだろう。
しかし、その栄光こそが悲劇の始まりだった。
『拝啓 10年後の私へ──』
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ステージの裏側には、誰も知らない六つの物語がある・・・
男女6人組アーティスト・BLUE BIRTH。
華やかなステージで輝き、テレビでは笑い、SNSでは愛される彼らは、誰もが憧れるトップスター。
しかしその裏側には、誰にも言えない傷や孤独、満たされない想いが静かに積み重なっています。
強さを求める者。
勝利に執着する者。
愛を渇望する者。
選ばれることでしか自分を保てない者。
認められなければ存在できない者。
愛することでしか生きられない者。
それぞれの“空白”が交差し、光と影が混ざり合うように物語は動き出します。
彼らの人間としての葛藤に触れながら、それを追体験できるような、痛くて美しい青春群像劇です。
是非、一度読んでみてください。 - ★★★ Excellent!!!お見事なリアリズム
スペイン絵画に於いて「リアリズム」が本格的に始まり世界を席巻しました。
アントニオ・ロペス・ガルシアが始めたそれは、多くの作家たちを魅了しました。
それは写実的に描くことよりも、「現実」をありのまま呈示することであり、即ち「汚い物も含める」という気概に満ちたものでした。
それによって、絵画空間が深さを増し、作り物という芸術が現実世界に交差する「リアル」な記号を含めることとなりました。それが世界中に受け入れられた中心要素です。
本作は小説という世界に「リアリズム」をふんだんに含んだ傑作と見受けられます。
芸能界という煌びやかな世界の後ろにある確実に汚れた醜いものが呈示され、そのことで物語世界が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!輝く者たちの裏側に潜む、真なる人間性
一章読み終えた際の感想です。
この後どうなるの!?
この作品は人間の醜さそのものより、醜さを抱えた人間を書くのが上手い! 上手すぎる。
単純な善悪では割り切れない、人間の嫌な部分を描きながら、その人物自身が「なぜ自分はこうするのか」「これは間違っていない」と、どうやって自分を正当化しているのかまで描いている。
しかも、その理屈が妙に納得できてしまうのがまた生々しい。
少し内容にも触れると、ある人物が盗作する場面。
「誰の目にも触れず死んでいく作品は可哀想だ。」
と、自分の行為を「救い」に置き換えてしまう。
この自己正当化がなんとも嫌らしくて、でも妙に理解できてしまう。
こう…続きを読む