概要
転生したら犬だった!? 全盲の北海道犬が初の災害救助犬になる物語
その少年は生まれつき全盲だった。しかし、少年にとって世界が暗闇であることは悲劇ではなかった。
舌の反響音で空間を捉えるエコーロケーションで、目が見えずとも不自由なく過ごしていたからだ。
……あの日、自宅が激しい炎と黒煙に包まれるまでは。
隣の部屋から聞こえる幼い妹の悲痛な叫び。
視界を遮る煙など、音で空間を捉える少年には関係なかった。
救おうと炎の中へ飛び込もうとした少年だったが、大人たちに無茶だと抑え込まれてしまう。
……妹は、助からなかった。
己の無力さを血が出るほど噛み締め、後悔した。
(俺にもっと、大人を振り払えるほどの強靭な身体さえあれば!)
◇
次に目覚めた時、少年は全盲の真っ白な北海道犬に生まれ変わっていた。
人間とは比較にならないほど鋭敏な嗅覚。しなやかで強靭な筋肉
舌の反響音で空間を捉えるエコーロケーションで、目が見えずとも不自由なく過ごしていたからだ。
……あの日、自宅が激しい炎と黒煙に包まれるまでは。
隣の部屋から聞こえる幼い妹の悲痛な叫び。
視界を遮る煙など、音で空間を捉える少年には関係なかった。
救おうと炎の中へ飛び込もうとした少年だったが、大人たちに無茶だと抑え込まれてしまう。
……妹は、助からなかった。
己の無力さを血が出るほど噛み締め、後悔した。
(俺にもっと、大人を振り払えるほどの強靭な身体さえあれば!)
◇
次に目覚めた時、少年は全盲の真っ白な北海道犬に生まれ変わっていた。
人間とは比較にならないほど鋭敏な嗅覚。しなやかで強靭な筋肉
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!障害は個性という温かい目線
WEB小説という『読まれる層を一切気にしなくてもいい』という、もう一つの利点を最大に生かした、自分が言うのも何ですが、相当にマニアックかつ尖った物語です。
医学的知識に基づいた詳細な描写があるので、強引なケレン味にも説得力があります。
悪徳ブリーダーなどの社会問題、障害の辛さも隠すことなく描いていて、倫理的に信頼感が置けるので安心して読めます。
なにより物語の根底に流れている、障害に対しての現実的でありながらも包み込むような優しい視点が、ご都合通りに進まない厳しい物語世界に温かみを与えています。
率直に言って、ドーパミン補給型が主流のWEB小説の真逆に位置する作品だと思います(誤解がないよう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!優しくも熱い絆を描いた動物成長ファンタジー
本作は、一人と一匹の「境遇」に胸を打たれる絆の物語となります。
先天性白内障で眼球に障害を持つ「犬(主人公)」と、骨肉腫で左脚を失ってしまった「少女」が出会う設定に、お互いが背負う過酷な運命を、優しくリアリティのある筆力で表現されています。
作者様の手腕は、「転生×警察犬」という非常に丁寧でリアリティのある設定を、犬ならではの視点から描かれる世界感を構築されている点です。
きっと動物に対しても造詣と愛情をお持ちの方だと感じます。
それほどに、動物愛が伝わる丁寧なドキュメンタリー風の筆致です。
眼に障害を持つ犬へ転生した主人公と、左脚を失った陸上少女が、お互いのハンデを補い合いながら共…続きを読む