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概要
名前を呼ばれるたび、私の背丈が減っていく。
背が高い。それが、第一印象だった。
結婚相談所で四十七回断られた桧山湊、三十四歳、身長百五十八センチ。四十八人目の相手・梯詠子の希望条件欄は、たった一行だけ埋まっていた。――自分より背の低い方。
会うたび彼女の袖が短くなる。身上書の身長が書き換わる。スーツの裾が余りはじめる。成婚報告のアルバムには、三十年分の彼女と、五人の男。
「呼ばせるな」。生き残った一人は、そう書いた。名前を呼ばれ、返事をするたび、丈は渡っていく。
逃げ切った先で、世界が少しずつ高くなっていく。
結婚相談所で四十七回断られた桧山湊、三十四歳、身長百五十八センチ。四十八人目の相手・梯詠子の希望条件欄は、たった一行だけ埋まっていた。――自分より背の低い方。
会うたび彼女の袖が短くなる。身上書の身長が書き換わる。スーツの裾が余りはじめる。成婚報告のアルバムには、三十年分の彼女と、五人の男。
「呼ばせるな」。生き残った一人は、そう書いた。名前を呼ばれ、返事をするたび、丈は渡っていく。
逃げ切った先で、世界が少しずつ高くなっていく。
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