概要
平成生まれのぼくは、昭和を知らない。その昭和に、落ちた。
令和の駅裏、取り壊し寸前の純喫茶でうたた寝したぼくは、目を覚ますと昭和六十三年の春にいた。スマホは圏外ですらない――電波という概念が、まだこの世界に生まれていない。
平成生まれのぼくは、昭和を「知らない」世代だ。その昭和を、はじめて自分の足で歩く。公開してすぐにコケて忘れられていく映画、まだ誰もヒットすると思っていない曲、たばこの煙と人いきれ。令和育ちのぼくの目に、それは「遅れた昔」でも「良かった昔」でもなく、ただ違う重さで光って見える。
やがてぼくは気づく。この時代の果てに改元があり、その七日間の先に、ぼくの誕生がある。自分のいない世界を歩きながら、ぼくは、自分がどれだけの偶然と、どれだけの小さな親切でできているのかを、知っていく。
昭和六十四年は、七日しかない。
来なかった春の話を、はじめます。(不定期更新)
平成生まれのぼくは、昭和を「知らない」世代だ。その昭和を、はじめて自分の足で歩く。公開してすぐにコケて忘れられていく映画、まだ誰もヒットすると思っていない曲、たばこの煙と人いきれ。令和育ちのぼくの目に、それは「遅れた昔」でも「良かった昔」でもなく、ただ違う重さで光って見える。
やがてぼくは気づく。この時代の果てに改元があり、その七日間の先に、ぼくの誕生がある。自分のいない世界を歩きながら、ぼくは、自分がどれだけの偶然と、どれだけの小さな親切でできているのかを、知っていく。
昭和六十四年は、七日しかない。
来なかった春の話を、はじめます。(不定期更新)
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?