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概要
奪い返すのか。差し出すのか。共に留まるのか。
——命が火なら、君のために燃え尽きよう。
人の命は、火だ。
生まれた夜にひとつ灯され、寿命の分だけ燃えて、尽きる。
祝言を明日に控えた夜、朔(さく)の婚約者・灯華(とうか)の命の刻が、音もなく黄泉に奪われた。まだ半ばの命を摘まれた乙女は、沈まぬ月の下、死の国の「花嫁」にされるという。
灯守(ひもり)の青年・朔は、自らの灯火を提灯に移し、生者の身のまま黄泉比良坂を降りる。降りるほどに細っていく、提灯の火。それは、彼に残された命そのもの。
——渡るなら、覚えておけ。火は、帰りの分まで残せ。
やがて朔は、死の国の理を知る。奪われた刻を取り戻すには、等しい刻を差し出さねばならない。取り戻す旅は、いつしか、差し出す旅へと反転する。
奪い返すのか。差し出すのか。共に留まるのか。
選ぶ道は三つ
人の命は、火だ。
生まれた夜にひとつ灯され、寿命の分だけ燃えて、尽きる。
祝言を明日に控えた夜、朔(さく)の婚約者・灯華(とうか)の命の刻が、音もなく黄泉に奪われた。まだ半ばの命を摘まれた乙女は、沈まぬ月の下、死の国の「花嫁」にされるという。
灯守(ひもり)の青年・朔は、自らの灯火を提灯に移し、生者の身のまま黄泉比良坂を降りる。降りるほどに細っていく、提灯の火。それは、彼に残された命そのもの。
——渡るなら、覚えておけ。火は、帰りの分まで残せ。
やがて朔は、死の国の理を知る。奪われた刻を取り戻すには、等しい刻を差し出さねばならない。取り戻す旅は、いつしか、差し出す旅へと反転する。
奪い返すのか。差し出すのか。共に留まるのか。
選ぶ道は三つ
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