概要
「詞を書いて」と頼んできた、大嫌いで、大好きな三歳上の幼なじみへ。
7月28日、北海道・網走。気温は20度。
高校生の優愛(ゆあ)は、3歳上の幼なじみ・月野優人(ゆうと)から「バンドの新曲の作詞をしてほしい」と頼まれていた。お題は――「女の子視点の片想いの詞」。
「可愛い片想いなんてわかんない。アタシのは多分、ドロドロしてる」
図書館で借りた恋愛小説をカバンに詰め、進まない作詞に頭を抱えながら、優愛は夏の大地に繰り出す。
隣を歩けば、素っ気ない態度ばかり。
話しかけても、目を合わせてくれない。
優人にとってアタシはただの「幼なじみの妹」で、この作詞もただの「義務」なんだろうか。
――「優愛の素直な気持ち、知りてぇから」
ぶっきらぼうだけど、誰よりも優しいその声に動かされて、優愛がルーズリーフに書き留めた想い。その歌詞に隠されたタイトルは、優愛の臆病で、切実な願いそのものだった。
高校生の優愛(ゆあ)は、3歳上の幼なじみ・月野優人(ゆうと)から「バンドの新曲の作詞をしてほしい」と頼まれていた。お題は――「女の子視点の片想いの詞」。
「可愛い片想いなんてわかんない。アタシのは多分、ドロドロしてる」
図書館で借りた恋愛小説をカバンに詰め、進まない作詞に頭を抱えながら、優愛は夏の大地に繰り出す。
隣を歩けば、素っ気ない態度ばかり。
話しかけても、目を合わせてくれない。
優人にとってアタシはただの「幼なじみの妹」で、この作詞もただの「義務」なんだろうか。
――「優愛の素直な気持ち、知りてぇから」
ぶっきらぼうだけど、誰よりも優しいその声に動かされて、優愛がルーズリーフに書き留めた想い。その歌詞に隠されたタイトルは、優愛の臆病で、切実な願いそのものだった。
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