概要
怪物は倒せない。迷宮で途切れた帰り道だけを、俺は設計できる。
二十三年前、都市の地下や廃ビルに「迷宮口」が開いた日本。市役所の迷宮災害対策局で働く篠崎透真の仕事は、戦うことではない。帰還門が壊れた時だけ現れる、誰にも見えない「帰還標」を地図に写し、取り残された人を地上へ導くことだ。帰還標は、帰りたい場所を具体的に思い浮かべた人にしか生まれない。だから透真は、救助のたびに相手の“今日、帰る理由”を聞く。ある夜、七人が閉じ込められた迷宮で、透真は三年前に行方不明となった姉の帰還標を見つける。だがその線は、地上ではなく、誰かが消したはずの深層へ向かっていた。怪物は倒せない。けれど、迷宮で途切れた帰り道なら設計できる。
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