概要
そのモノは、壊れていない。最後に握った手に、従い続けているだけだ。
裏原宿の路地裏に、知っている人だけが引き戸を開ける古道具屋がある。唐草堂。店主のトワは二十歳前後の女の子に見えるが、その正体は百年を生きた唐笠の付喪神。人間には冷たく、モノには甘い。
持ち込まれるのは「直らない」モノたち。白石が一つだけ残された碁笥。決して回らない万華鏡。十年鳴れなかった呼び鈴。それらは壊れているのではない——最後に握った人間の手に、まだ従い続けているのだ。
トワは座痕を読み、摩耗を聴き、止まった時間を剥がす。助手の僕は、彼女の長すぎる講義を3行のメモに圧縮する。
一話完結、全13話。モノと人の、静かな修理の記録。
持ち込まれるのは「直らない」モノたち。白石が一つだけ残された碁笥。決して回らない万華鏡。十年鳴れなかった呼び鈴。それらは壊れているのではない——最後に握った人間の手に、まだ従い続けているのだ。
トワは座痕を読み、摩耗を聴き、止まった時間を剥がす。助手の僕は、彼女の長すぎる講義を3行のメモに圧縮する。
一話完結、全13話。モノと人の、静かな修理の記録。
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