概要
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- ★★★ Excellent!!!表裏一体
主人公の『私』は実家が神社で、父が宮司だった。彼女は受験の時期や初詣のときなどは巫女服を着て、神社の手伝いをしていた。
だが、この神社には姿が見えない神さまがいた。幼い頃からその存在に気づいていた主人公は、ある日、耳元からとある声を聞いて——といったお話です。
詳しく話すとネタバレになってしまうのですが、まさに表裏一体だな、と思いました。繰り返し聞こえるあの声が、静かな迫力と厳かさを放っていて、とても面白く、恐ろしかったです。
凄惨な描写で読者を怖がらせるようなタイプのホラー小説ではなく、明確なホラーワードを使わずに、読者をじわじわ恐怖のどん底に突き落とす、超技巧派な作品だと思いました。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それは、神か、禍か。
古来より〝神〟と名のつくものは祝福や豊饒を与えるものだけではない。
災害をもたらす火山の噴火を『神の怒り』と称したり、それこそ『天罰』、『神罰』、『仏罰』と人間に対しては禍に近いものもそこにはある。
――何が早いのか。
主人公は見えざるものを見てきた。それが神職の家であり疑問に思わなくても〝神〟であると。
しかしながら、前述の通り人の物差しではかる事が出来ないものが〝神〟である。それが何者であれ、何を求めているのか、何を待っているのか。
――何が早いのか。
今年も果実がよくなっている。一つ、置いて待ってみよう。
ぷくり、ぷくりとそれは熟して、甘い香りが漂ってきている。
さあ、とろ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その声は私を現世に留めている。 理由も期限も私は知らない。
怖い話は、何からできているのだろう。
この物語を読んで、少なくともそのうちの二つはわかった。
物事に奇異なものが加わっている状態。
物事の奇異なことが説明されない状態。
これを描くだけで、ホラー小説の必要十分な条件を満たすことを教えてくれる物語。
それが本作だ。
主人公は幼い頃からずっと長い間、神らしきものの存在を感じている。
そして、その存在のお陰で振りかかる災禍から逃れ続けているらしい。
凶事がある毎に一言、同じ宣託を聞いていた。
だから彼女は、その存在が自分の災禍を除けさせたのだろうと思っている。
危機に際して告げられるのは、いつも同じ短い語句だった。
その言葉を素直に受け…続きを読む