概要
声は最初からなかった。それでも、ここにいる。
砲撃の夜、敵国の将軍に拾われた。
声が出ない。生まれつきではなく、3歳のときから。理由は分からない。父は朝に軍と共に去り、娘の名前を記録に残さなかった。声のない令嬢を、誰かが探す理由などなかった。
敵国の屋敷に置かれた。言葉は通じない。文字も通じない。絵だけが、少しだけ通じた。
将軍は寡黙だった。侍女は最初、冷たかった。補佐は疑った。それでも季節が動くうちに、何かが少しずつ変わっていった。
ある夜、将軍が告げた。あなたの国の村を、焼いたことがある、と。
恩人だった。同時に、誰かの朝を消した人間だった。2つのことが同時に本当だった。どちらかを消せば楽になった。消せなかった。消したくなかった。
声がなくても、言葉がなくても、伝わるものがある。
伝わらないものも、ある。
それでも、ここにいる。
戦場から始まる、静かな愛の話。
声が出ない。生まれつきではなく、3歳のときから。理由は分からない。父は朝に軍と共に去り、娘の名前を記録に残さなかった。声のない令嬢を、誰かが探す理由などなかった。
敵国の屋敷に置かれた。言葉は通じない。文字も通じない。絵だけが、少しだけ通じた。
将軍は寡黙だった。侍女は最初、冷たかった。補佐は疑った。それでも季節が動くうちに、何かが少しずつ変わっていった。
ある夜、将軍が告げた。あなたの国の村を、焼いたことがある、と。
恩人だった。同時に、誰かの朝を消した人間だった。2つのことが同時に本当だった。どちらかを消せば楽になった。消せなかった。消したくなかった。
声がなくても、言葉がなくても、伝わるものがある。
伝わらないものも、ある。
それでも、ここにいる。
戦場から始まる、静かな愛の話。
読んでくれてありがとう。物語が届いて嬉しいです。これからも紡ぎ続けます。応援、ありがとう
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