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概要
「先生。人間って、中身が空っぽになることあるんですね」
霊能力者・間宮響子のもとへ、一人の女性から奇妙な依頼が舞い込む。引っ越してきた団地の部屋に、ある日突然“存在しないはずの赤い扉”が現れたというのだ。血のように赤黒く濡れた扉は夜になると、失ったはずの大切な人の声で住人を呼び、「開けて」と囁く。依頼人の幼い息子もまた、“赤いおじさん”の存在を語り始めていた。現地を訪れた響子は、扉の向こうに霊ではない異質な気配を感じ取る。それは人間の悲しみや後悔、愛情につけ込み、心の傷を餌にする悪魔的存在だった。やがて扉は、響子自身の封印してきた過去までも暴き始める。消えた母子、存在を抹消された記録、そして自宅に現れた新たな赤い扉――。それは決して開けてはならない、“喪失を餌に人を招く入口”だった。
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