概要
その死は、僕の世界を書き換えた。――それとも逆だろうか。
高校1年生の羽島朗誠は夏休み明け直前に「親友」の雲井晴朗の自殺を知ってしまう。それ以降、徐々に朗誠の認識は歪み始める。
人々の言葉の裏を必死に覗こうとする朗誠。そのうちに、母との約束が彼の行動を強く縛り始める。
「親友」の死を考え続けるうちに彼の日々はかつてとは別物になっていく。その先に何が見えるだろうか。
人々の言葉の裏を必死に覗こうとする朗誠。そのうちに、母との約束が彼の行動を強く縛り始める。
「親友」の死を考え続けるうちに彼の日々はかつてとは別物になっていく。その先に何が見えるだろうか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!描かれているのは等身大の少年
僕が冷酷非情な人間かもしれない。
最初の書き出しでそう語られるこの物語の主人公には、等身大のリアルな少年像を感じます。
見える世界の視界の範囲がとてもいい、真っ直ぐな視野で、見ているもの、聞こえているものはその余裕のある範囲でしかないのはなんだかとても懐かしい感じがしました。
まだ途中のものなので正しいレビューになるとは思っていませんが、正面から受け取ることのできない親友の死別というものを描こうとしているのかなと理解しています。
違ったらごめんなさい。
途中、その死別の傷というものがとても希薄に描かれているのは、多分冒頭のこれにかかっているようにも思えますが、同時に彼の視点で今の親や友人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!痛みは、いつも一拍遅れて到着する。
プリントの裏側に透ける「A判」の文字。その瞬間に指先がこわばり、紙の端がわずかに湿る。
中学生のころの、あの言語化できない優越感と後ろめたさが、ひりひりと肌を撫でていきます。
私たちはいつも、数字や判定という分かりやすい記号で、安心を買おうとします。
主人公の朗誠もそうでした。
けれど、親友の死によって、その記号はあっけなく意味を失う。
二学期の始業式。
まとわりつく脂汗。
生温い水道水。
道端に落ちた、もげた蝉の羽。
この作品は、悲しみや絶望といった安易な感情ラベルを使いません。
ただ、不快な体温と重い空気の連続だけで、主人公に空いた穴の深さを、読者の体に直接伝えてくる…続きを読む