概要
その名は、恋愛工作室。
ただし、この相談室には三つの鉄則がある。
相手の気持ちは操作しない。
嘘で恋を成立させない。
成功とは、付き合うことではなく、依頼者が後悔しない選択をすること。
他人の視線や言葉から恋を読み解く少年・雨宮律。
校内一の人気者なのに、自分の恋だけは言えない室長・白瀬叶。
告白成功だけをゴールにしない、三年間の学園青春ラブコメ。
恋愛工作室へようこそ。あなたの恋を、あなたの言葉にする場所へ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!恋に揺らぐ心に寄り添う高校生たちの、繊細で優しい物語
とある高校の旧校舎。その一室には「恋愛工作室」があるという。
だが、それは恋愛を成就するために作られたのではない。
目指すのは、依頼者が後悔しない選択をすること。
非公式かつ部員も3名と少ないその相談室に舞い込んだ依頼は、”告白したいけれど、本当に告白していいのか分からない”というものだった――。
登場人物もストーリーの描き方も、とても丁寧で読みやすいです。
恋は、時に人をとてつもなく幸福な気持ちにしたり、かと思えばその反対の気持ちにもさせます。それは、相手の仕草やわずかな表情の揺らぎといったほんの些細な出来事に左右されて……。
淡くほろ苦い、それでいて瑞々しく彩られた日々。
恋愛工作室…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まだ知らない君と、もう一度出会うために
人は、大切な相手のことほど、「よく知っている」と思ってしまうのかもしれません。
好きな本も、苦手なものも、昔泣いた理由も、いつもの帰り道も知っている。
けれど、人は少しずつ変わっていきます。
昨日まで知らなかったことに挑戦し、これまでとは違う場所へ歩き出し、まだ誰にも見せていない自分を見つけていく。
この物語で恋愛工作室が向き合うのは、ただ告白を成功させる方法ではありません。
不安や期待によって自分の中に作り上げた相手ではなく、今、目の前にいるその人を本当に見ているのか。
自分の中にある相手の姿だけでなく、今、目の前にいるその人と、あらためて向き合うことができるのか。
そして、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!恋愛成就ではなく見守る物語。行間を読む異色の文芸作品的ラブコメディ
一見すると王道の学園ラブコメですが、蓋を開けてみると純文学的な深みと見事な会話劇が広がる、質の高い「トロイの木馬」です。
特筆すべきは、主人公が入ることとなる恋愛工作室がとるスタンス。
単に恋を実らせるのではなく、相手をプロファイリングし、道を踏み外さないよう見守るようなアプローチが、現実的かつ斬新な切り口で非常に面白いです。
重すぎない軽やかさを保ちながらも、単純なご都合主義には陥らない。
この質の高い物語構成には、文芸的な読み応えを求める読者もきっと魅了されるはずです。
ありきたりなラブコメ展開に少し飽きてしまった方にこそ読んでほしい一作です。