概要
それは仲間を守れず、ダンジョンで全滅する夢。
その夢は過去生が夢となって現れた記憶の断片。彼は前世で“賢者”として仲間を率い、全員を死なせた男だった。
転生した現代でも人生はうまくいかない。
職を失い、祖父の借金を背負い、生きる意味すら見失っていた。
そんな彼に発現したのは『賢者』スキル。
借金のかたとしてダンジョンギルドに売られ、命懸けの日々が始まる。
しかし賢造は『賢者』スキルを駆使して成り上がって行く。
かつて誰も救えなかった男は、再び仲間とダンジョンへ潜る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!生活感ある現実、シリアスな夢、難易度高そう現代ダンジョンファンタジー
序盤から、血と鉄の匂いが漂う遺跡での壮絶な夢の場面に一気に引き込まれました。勇者らしき友との共闘、あと一撃で倒せるはずだった強敵、そして最後に待っていた絶望的な反撃。ファンタジーの重い予兆から始まったかと思えば、目覚めた主人公は三十九歳、独身、バイト掛け持ちの冴えない中年男性という落差がとても面白いです。
主人公・中瀬賢造の自虐混じりの語り口が軽快で、重くなりすぎない読みやすさがあります。問題親父・虎之助との掛け合いもテンポが良く、パンの耳と卵から即席料理を作る場面など、生活感とユーモアが自然に出ていて好印象でした。
一方で、ダンジョンや探索者、スキル、魔素欠乏症といった設定も分かりやす…続きを読む - ★★★ Excellent!!!経験豊富なおじさんは強い
各話のタイトルがすべて「賢者はーー」というフレーズで始まるように、この物語はまさしく、一人の男が歩む「賢者」の物語。
主人公の39歳という年齢を活かし、若さや才能だけではなく、人生経験や諦念、それでも前へ進もうとする姿が魅力的です。
訓練中に倒れては診療室へ運ばれたり、随所に散りばめられた自虐的なユーモアに思わずクスッと笑わせられたりと、親しみやすさも抜群。
また、最強の探索者である澪との関係性の描写も丁寧で、コミカルの中にシリアスな空気や謎を置く緩急がとても巧みだと感じました。
「賢者」という強力なスキルを持ちながらも、まずは体力や健康を取り戻さなければ戦えないという現実的なステップ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!金もないし体も弱い。これでも、俺は賢者……のはずだ
賢者。このレビューを読んでいるあなたはどんなイメージをお持ちであろうか。私は、『高貴なる強者』としてのイメージが染み付いていた。その場から一歩も動かずに強大な魔法を操り、相対する敵を荘厳に……そしてエレガントに葬り去っていく。そんな花形をイメージしていたのだ。
……ところが、本作の主人公、賢造はそんなパブリックイメージとは正反対の新しすぎる賢者である。200メートル走ったら力尽きる体の弱さに、家族や周りの人に振り回される情けなさと運のなさ、そして金欠を併せ持つ39歳である。かつてこれほどまでに不憫な賢者がいただろうか。見ているだけで別の意味で『ハラハラ』させられる。
そんな彼だが、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!身売りされた持たざるおっさんが『賢者』の力で這い上がる前日譚!
39歳、独身、フリーター。原因不明の目眩と借金に喘ぐ主人公『中瀬賢造』が、ある日突然告げられた己の正体。それは、世界に十万人に一人と言われる超希少スキル『賢者』だった!
破天荒なヤクザ実父に2億円で身売りされ、トップ探索者・東条澪が率いる超過酷ギルド「アイアンブラッド」へ強制入隊させられた賢造。
待っていたのは、開始200メートルで即気絶する、アラフォーの肉体を酷使した地獄のブートキャンプ! しかし、数々のポンコツエピソードを晒しながらも、周囲の優しさに支えられ、彼の内なる『賢者』の力が少しずつ覚醒を始めて……
謎の悪夢、鏡に映った見知らぬ男の顔、そして超エリートギルドに蠢く思惑。 こ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!弱さを抱えた大人の再起ファンタジー
体の不調を抱えながら、どうにか日々をやりくりしている主人公の姿に、まず引き込まれました。
ただ不幸を背負った人物として描くのではなく、生活のしんどさや情けなさを自分で茶化すような語り口があり、重くなりすぎずに読めます。笑っていいのか心配しつつ、ちゃんと笑える。この距離感がとても心地よかったです。
また、主人公と家族の会話に勢いがあり、遠慮のないやりとりの中にも、長く一緒に生きてきた人同士の空気がにじんでいます。雑に見えて、どこか放っておけない関係性があり、読んでいるうちに自然と二人の行く先を見守りたくなりました。
現代の暮らしに、別世界のような要素が少しずつ混ざっていく流れも楽しいです…続きを読む