概要
生きたサバが空から降る朝、君の銀河だけを見つめる。
昨夜の予報通り、生きたサバが空から降る朝。佐藤君は通学鞄を傘代わりにして登校し、美少女の田中さんと校門で出会う。彼女は背中に五重塔を生やし、溜息から透き通った子犬を生み、歩くたび廊下をショパンの夜想曲に変えていく。一限目の数学では教師の顔が完熟トマトになり、数式が羽虫のように飛び回る。昼休みには時間が逆流し、二人は三日前の理科室へ飛ばされる。放課後、雨は古い硬貨とカスタードクリームに変わり、二人は屋上で手を取る。重力を失った校舎が浮かぶ中、佐藤君は田中さんのハチミツ色の瞳を見つめ続ける。不条理な世界で、二人の恋だけが確かに響いている。
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