自分にはもう手に入らないものだと分かっているけれど、目を遣ってしまう。語り手の口調がとても柔らかく世界を切り取っていて、日差しの暖かさや珈琲の香りまで感じられるような作品でした。そんな幸せな光景の中に滲む、一滴の消毒液。指先を紙の端で切ってしまったときのような痛みと、乾いた喪失感を伴う読後感です。素敵な作品をありがとうございました。
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