概要
優しく、軽やかに。
「あ、また聞こえた」。「私」と夫の住む家は、夜になると御囃子が聞こえる。当初は不審と薄っすらした怖さを抱いていた「私」だったが……。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!御囃子が聞こえる。
記憶は時として現在を苛むものでもある。
あの時、ああしていれば……。
どうして、あの人はあんな事を……。
自分は正しかったのか……。
どうして、どうして……。
しかしながら、辛い記憶の中から郷愁を呼び起こすものもある。
本作はそれが〝御囃子〟である。
主人公の綾乃と夫に何処からともなく〝御囃子〟の音が聞こえるようになる。
本来であれば怪異譚に転がりそうなものかも知れない。しかし、夫は言う。
「良い事がある」
綾乃も笑う。
辛い事だってある。しかしながら、二人は笑う。
御囃子を二人は否定しない。むしろそれは吉兆であると、原因を探さずに。
終盤でそれが何か〝解った〟時も二人は共にある…続きを読む