概要
聖女は後に綴る。これが後世に残す、新たな御伽噺です。と――
こんなはずじゃなかった。
「では聖女、暴れず頭を垂れなさい。貴女も辛いのは嫌でしょう」
こんなはずじゃなかった…。
「貴女が悪いのです。上手に使ってあげようと思っていたのに…」
こんなはずじゃ、なかった…!
「知らずとも良いことを知ってしまった、視てしまった。貴女がね」
じめじめした薄暗い地下牢の生臭い温度とは対照的に、ひんやりと冷たい刃が嘲笑うように首に触れる。
心臓が痛いほど波打ち、同じリズムで喘ぐような呼吸が漏れる。まるでここに空気など無いかのように、まるで首でも絞められているかのように。あまりの緊張で上手く息が出来ない。
許しを乞う罪人のように頭を床に押し付けられる。きっとその勢いで頬も切れているが、もうどこが痛いのかさえ分からない。
腕は血が止まるほどきつく縄で結ばれ
「では聖女、暴れず頭を垂れなさい。貴女も辛いのは嫌でしょう」
こんなはずじゃなかった…。
「貴女が悪いのです。上手に使ってあげようと思っていたのに…」
こんなはずじゃ、なかった…!
「知らずとも良いことを知ってしまった、視てしまった。貴女がね」
じめじめした薄暗い地下牢の生臭い温度とは対照的に、ひんやりと冷たい刃が嘲笑うように首に触れる。
心臓が痛いほど波打ち、同じリズムで喘ぐような呼吸が漏れる。まるでここに空気など無いかのように、まるで首でも絞められているかのように。あまりの緊張で上手く息が出来ない。
許しを乞う罪人のように頭を床に押し付けられる。きっとその勢いで頬も切れているが、もうどこが痛いのかさえ分からない。
腕は血が止まるほどきつく縄で結ばれ