概要
十五年間行方不明だった親父の遺書にはそう書いてあった。
二〇二〇年、ハワイから二千キロメートル離れた場所に突如現れた新大陸は、ずでに住民がおり、巨大な文明が築かれていた。しかもなぜか公用語が『日本語』と『ドイツ語』で、自らの大陸を『ラギ』と答えた。
行方不明だった親父と、この新大陸との関係なんて「僕」には関係ない。
……と思っていたのだが、日本国政府とラギ大陸が僕の日常に割り込んで来て、旅行もしたことがない「僕」はなし崩し的にこの、謎の新大陸を旅することになる。
日本語は通じ、ある程度共通している文化はあるのに、価値観から宗教観、食生活からがまるで違う新大陸の正体は?
そして、親父はこの大陸となんの関係があるの
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!たびたび感じる、奇妙な旅の面白さ
父の死をきっかけに、壮大な旅に出ることになった男の物語。
突如出現した謎の大陸、ラギ。了は訳あってこの大陸の各都市を巡ることになってしまった。どうやら父は生前ラギの重要な人物だったらしいのだが……?
了の旅は、決して容易なものではなかった。
自然が厳しかったり、治安が悪すぎたり、食事がまずかったり……。
それでも、個性豊かな都市と人々を見ているうちに、読んでいる側も一緒に旅をしているような気分になってくるから面白い。
途中でどんどん増えていく謎もまた、旅を彩ってくれる。
果たして、了を待ち受けるのは一体何なのか⁉
ぜひ『最強の花嫁と引きこもり夫が一大文明を築くまで』と一緒にお楽しみい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!案内人に導かれる、未知なる大陸の旅
未知なる大陸で街を巡り、旅する物語です。
見知らぬ土地での旅の話ですが、よくある異世界冒険ものよりずっと現実感のある旅路でした。
とてもたくさんの都市を回りますが、一つひとつの都市に独自の特色があります。
そこには「この街はこういう歴史をたどったから、こういう土地柄になった」という深い背景が存在していて、かなり緻密に世界観が練り上げられていることがうかがえます。
リアリティーがあるからこそ、現実を忘れて旅をしている気分を味わえるし、没入できるのです。
旅は楽しいだけじゃありません。苦労することはいっぱいあるけれど、その中にも趣深いことや、楽しさを見出せることもあります。
時に銃弾が飛び…続きを読む - ★★★ Excellent!!!旅路の果てに待っていたものは⁈
SB亭さん渾身の自信作が本日完結した。
最終話の展開に、開いた口が塞がらないほど驚愕した!
タイトルにあるように2020年、地球に新大陸が『転移』してきた。
転移ものはもう食傷気味であるが、大陸が転移してきたという斬新な設定にまず惹かれた。
そして15年も行方不明だった父親の遺骨と位牌を持ってその大陸を旅することになった主人公の了。
四国を約90度左に回転させたような『縦四国』のような新大陸ラギの36の各都市を巡るのだが、その都市が何ともユニークである。赤道直下にあるはずなのに豪雪地帯だったり、麻薬カルテルが横行している治安の最悪な街だったり。
私は毎日四国の地図を眺め、今ここだなぁ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「旅」を通し、未知の大陸の「歴史」を紐解く。このジャーニーの行く末は?
「旅」というものを通して未知の歴史を紐解いていく、新感覚な物語でした。
主人公の了は父親の遺言に基づき「未知の大陸」に旅に出ることが決まる。
世界には突如として謎の大陸が現れた。そしてその大陸には既に人間が住んでおり、特殊な文明も築いているらしいことがわかる。
父がその大陸となんらかの関わりを持っていることがわかり、了はその地に旅立つことに。
京国とリヒト国。その二つの国にある様々な土地を巡っていく。
観光として楽しそうなところもあれば、明らかに治安が悪くて関わりたくなさそうな場所もある。
同時に、京国とリヒト国には戦争をしていた歴史もあり、巡っていく土地の数々にはその…続きを読む - ★★★ Excellent!!!不機嫌な中年と骨壷が旅する異世界、設定も文体も超一流!
異世界転移モノでありながら、主人公・了の視点が徹底して『乗り気じゃない中年男性』に固定されているのが非常に愉快で、読んでいてずっと笑える。
親父の遺書から始まる不条理な連鎖、外務省が職場に乗り込んでくる展開、喪服のまま骨壷を抱えて異大陸に向かうハメになる理不尽さ。それらが全てクールなトーンで淡々と描かれているのに、ユーモアが確実に滲み出てくる筆力は見事。
歴史・政治・宗教・経済・ジェンダー観まで一貫した内部論理で構築された大陸を、何も知らない運び屋の中年の目線でツッコミながら解体していくスタイルは、世界観の説明を苦にさせない読み口の良さを生んでいる。