といちさんの「白紙の吹き出し」、引き込まれながら読みました。小説を書き続ける若者と、言葉を失ったおじさん漫画家という、対照的でいて根っこでつながっている二人の出会いが、無駄のない筆致で描かれています。「なんだっていい」とつぶやきながらも書き続ける主人公の切迫感が、ガリガリという擬音とともに体に伝わってくるようでした。白紙の吹き出しに言葉を埋める場面では、書くという行為の本質——ただ見て、感じて、書き続けること——が静かに照らし出されていて、胸に残ります。短い作品ながら、創作者の孤独と熱量がぎゅっと詰まった一編でした。
もっと見る