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概要
彼は何も恨まなかった。だから余計に、苦しかった
天才魔術師と呼ばれた伯爵家の次男、エルウィンは婚約者イゾルテが不治の病――結晶病――に冒されたことを知る。体が少しずつ結晶化し、やがて死に至る病。名医たちが匙を投げたその病を、彼は禁術によって自らに移すことで癒した。代償は、魔術師としての命そのもの――魔力の喪失。
婚約者の記憶を封印し、家を追われたエルウィンは、一人の少女に拾われ、小さな村で静かな生涯を終えた。後悔はなかった。誰も恨まなかった。ただ、愛した人が生きているなら、それで十分だと思っていた。
時が経ち、封印が解けてすべてを思い出したイゾルテは、王妃となった宮廷の中でひとり、取り返しのつかない事実と向き合う。謝ることも、伝えることも、もうできない。
さらに十年。国を救った若い魔術師が王宮に現れる。黒い髪に、透き通った淡い碧色の瞳。そ
婚約者の記憶を封印し、家を追われたエルウィンは、一人の少女に拾われ、小さな村で静かな生涯を終えた。後悔はなかった。誰も恨まなかった。ただ、愛した人が生きているなら、それで十分だと思っていた。
時が経ち、封印が解けてすべてを思い出したイゾルテは、王妃となった宮廷の中でひとり、取り返しのつかない事実と向き合う。謝ることも、伝えることも、もうできない。
さらに十年。国を救った若い魔術師が王宮に現れる。黒い髪に、透き通った淡い碧色の瞳。そ
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