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概要
誰も間違っていない。——だからこそ、おかしい。
――記録は、正しい。
王国兵ティオの任務記録は、常に整っている。
討伐数、被害状況、戦闘経過。
どれも矛盾はなく、過不足もない。
だが、彼だけが気づいている。
そこには、決して記録されない“何か”があることを。
思い出せないわけではない。
最初から名前がなかったかのように、
それは輪郭を持たず、ただ感覚だけを残している。
違和感は小さい。
気のせいで片付けられる程度の、些細なもの。
だからこそ否定されることなく、静かに積み重なっていく。
やがてティオは知る。
消えているのは、出来事ではない。
存在そのものだということに。
そして同時に気づく。
自分だけが覚えているのではない。
自分だけが、“忘れきれていない”。
『Run ― 消えなかったものの証明記録 ―』
これは、消失の中で取りこぼされた
王国兵ティオの任務記録は、常に整っている。
討伐数、被害状況、戦闘経過。
どれも矛盾はなく、過不足もない。
だが、彼だけが気づいている。
そこには、決して記録されない“何か”があることを。
思い出せないわけではない。
最初から名前がなかったかのように、
それは輪郭を持たず、ただ感覚だけを残している。
違和感は小さい。
気のせいで片付けられる程度の、些細なもの。
だからこそ否定されることなく、静かに積み重なっていく。
やがてティオは知る。
消えているのは、出来事ではない。
存在そのものだということに。
そして同時に気づく。
自分だけが覚えているのではない。
自分だけが、“忘れきれていない”。
『Run ― 消えなかったものの証明記録 ―』
これは、消失の中で取りこぼされた
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