概要
耳と尻尾は本物。中身はだいたいポンコツ
近所の古い稲荷神社で手伝う高校生・浦部駿。幼い頃から「見えないはずのもの」が日常に混ざってきたが、本人は特別な力だとは思っていない。片付けやじいちゃんの用事の方が先に来る。境内で働く金髪の狐娘・玉の耳と尻尾も、別におかしくはない。
玉は主・宇迦御霊に叱られ、お稲荷様代行という名の御使い――要するに雑用係を押しつけられたポンコツ狐。ドヤ顔はプロ級だが、機嫌の芯はたいてい甘味。駿の死んだ魚の目には、魅了も大見得も通じない。笑っているあいだの講釈に、ときどき、本人さえ気づかないほど古い言い回しが混ざる。
神話の愚痴も妖怪の脅しも、駿の中では生活のノイズや近所のトラブルにすり替わる。だいたいは軽口と境内の日常。それでも玉の「言いにくい昔」は、説明より先に断片だけが重なっていく。片付けと軽口が先の
玉は主・宇迦御霊に叱られ、お稲荷様代行という名の御使い――要するに雑用係を押しつけられたポンコツ狐。ドヤ顔はプロ級だが、機嫌の芯はたいてい甘味。駿の死んだ魚の目には、魅了も大見得も通じない。笑っているあいだの講釈に、ときどき、本人さえ気づかないほど古い言い回しが混ざる。
神話の愚痴も妖怪の脅しも、駿の中では生活のノイズや近所のトラブルにすり替わる。だいたいは軽口と境内の日常。それでも玉の「言いにくい昔」は、説明より先に断片だけが重なっていく。片付けと軽口が先の