概要
300円儲けた。私はまだ、あの店長が馬鹿だと思っている。
眼鏡を買いに寄ったホームセンター。老眼鏡を勧める店員を睨みつけ、私は店を後にした。私はまだ、そんな年ではない。だが、世界は少しずつ形を変えていく。愛着のある金色の腕時計は銀色に変わり、駐車場に停めたはずの桃色の愛車は見つからない。ニンニクラーメン店で「二人」と告げても、店員は首を捻るばかりだ。溶け出したバニラシェイクの不快な甘さと、理不尽な返金。手元に残った1550円の重みに、私は確かな勝利を感じていた。――背後で、店長がどのような眼差しで私を見送っているかも知らずに。
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