概要
大切な人と、大切な場所。
遠い日の約束を、私は守ります。
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- ★★★ Excellent!!!遠い約束が、家族の心を結び直す物語
家族の歴史を調べる宿題をきっかけに、美晴ちゃんは、お母さんが長いあいだ口を閉ざしてきた過去へ近づいていくことになるんよ。
町外れの神社、奥へ続く石段、古びた鳥居。その先には、昔話から抜け出してきたような、見知らぬ世界が広がってる。そこにおる鬼たちは、ただ恐ろしい存在やない。祭りを楽しみ、食卓を囲み、誰かを案じながら暮らす、人と変わらん心を持った者たちなんよ。
美晴ちゃんの目を通して描かれる異界は、不思議でありながら、どこか懐かしい。にぎやかな祭りや食べ物の匂い、初めて出会う者どうしのやり取りが、物語へ入りやすい道を作ってくれてる。
その一方で、母が語ろうとせえへん家族の過去や、周囲の何…続きを読む - ★★★ Excellent!!!溢れる家族愛のおはなし
作者ご自身が紹介されているように、和の御伽噺で語る家族の物語です。主人公の美晴の家族はとにかく家族愛に溢れています。評者のような捻くれ者には眩しすぎるくらい。家族愛を存分に感じられることがおすすめポイントの1つめ。次に構造が巧みです。美晴の母親は幼少期に神隠しに遭い、18歳のときに身籠って帰ってきました。普通に考えて犯罪に巻き込まれたか、悪い男に騙されたか。作中ではもう少し御伽噺的に「鬼の取り替え子だ」と噂されています。ところが真相はといえば……。多くは語りませんが全て美しく反転します。この物語の構造設計は見事そのもので、おすすめポイントの二つ目です。安心して読める、という形容がぴったりの…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!行きはよいよい帰りは…少女の不思議な成長譚。
主人公の美晴ちゃんが、学校から出された宿題をきっかけに、日常の一歩外にある冒険に踏み出すお話です。
そこにはお母さんがずっと抱えてきた秘密、そして自分自身の大きな秘密が待っていて…。
少女の成長譚だけでなく、そこに住む人々が古くから抱えてきたとある傷も、物語に深みを与えています。
美晴ちゃんの存在が、いずれその傷を癒し塞いでくれるのではないか…そんな希望を感じさせるラスト。
落ち着いた語りの中に、作者様の祈りが込められた素敵な物語です。
終盤のお祭りのシーンは、読んでいてワクワクする彩りに溢れ、読者を一緒にすぐ隣の見えない世界へと誘ってくれます。
ぜひご一読ください。