本来ありふれた公的な機構であるエスカレーター。それがあり方を変えると、得も言われぬ独特な恐怖を駆り立てます。周りには自分以外の存在がありますが、普通ではありません。夢の中の知らない存在に語りかけるってなかなか怖いと思うんですがそういう感覚に近いかも🤔ハッとさせられるようなオチも見所です。読みやすく、リミナルスペースのジャンルが好きな方にもオススメです。
エスカレーター。ただ自動的に、人を途の果てへと運ぶ機械。ベルトコンベアのようなその有り様を、運ばれる荷物のような乗員を、何かが狂えば無慈悲な事態が引き起こされるであろうその無情な機構を、外から眺められることが、またおそろしい。通常ならせいぜい数分、脳裏をかすめる程度のその戦慄が、果てしなく続くとしたら……。いま、動く階段と手すりに身をゆだねているあなた。あなたの姿は、外からはどう映るでしょうか……?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(358文字)
主人公は長い長い下りエスカレーターに乗っている。上りエスカレーターに乗ってやってくるのは怪異ばかり。なぜエスカレーターに乗っているのかもわからない…どうして…なぜ…やがて上りエスカレーターには――とても不思議で恐ろしい。緊迫感が流れます。どうぞご一読くださいませ。その理由がわかるかもしれません。オススメです。ぜひ…!
ああ、気が遠くなる……絶望とは違う、どう表現すればよいかわからない虚無感に苛まれる。長い長いエスカレーターから降りられない……いつまで乗っていればよいのだろう……
永遠にどこへも辿り着かない、長い長い下りエスカレーター。漫然とそこへ乗っている主人公の横を、上りのエスカレーターに乗った異形の者たちが通り過ぎていきます。危害を加えられるわけではない。ただすれ違うだけ。そして、「はっ」とするラストの衝撃。名手の一品をぜひ味わってください。
奇妙なエスカレーターを舞台にした物語。エスカレーターで、ずっとずっと下り続ける。いつまでたっても、降りることができない。時折隣の昇りエスカレーターには、異形の存在の姿が……。何が起こっているのか、読者も主人公と同様に理解できず、奇妙な空間で悩み続けることになる。このエスカレーターから降りる術はあるのか。降りたとして、そこに何があるのか。あなたも主人公になったつもりで、どうしたらよいのか考えてみると、きっと面白い。そうしたら、よけいに怖い思いができるだろうから……。衝撃の短編ホラー、お見逃しなく。
果てなく続く下りエスカレーターに主人公は乗っている。途中すれ違う上りエスカレーターに乗っているのは怪異ばかり。どうしてこうやって下っているのか。何故、乗らなければならなかったのか。理由なき恐怖と地獄の底へ続くようなエスカレーターが動いていく。汁が滴る程に熟した果実の中は蟻が巣食っていたような悍ましさを感じさせます。それ割った瞬間に、虫が出てくるような……恐ろしさがこの話にありました。短いながら鮮やかな切れ味です。
エスカレーター。それは人を下から上へ、上から下へと送り届けてくれる文明の利器。人間はそれを大層便利に使っている。疑問もなしに使っている。それは目的地が明確だから。乗っているのが人間だから。安全だとわかっているから。……では、『私』が乗っているエスカレーターは?連なる文字から鮮明に想像される不安な状況も、不穏な雰囲気も、二ノ前様だから出せる、さすがです。ホラーを書く身であれば、皆が羨む文才。この気味の悪さ、是非一度味わってほしいです。
長いエスカレーターから降りられずにいる。終わりの床は見えているのに、ずっと下っているのだ――。ただそれだけのはずなのに、じわじわと不安が染みてくる。気づいたときには、もう目を逸らせない。ぜひ、最後まで読んでほしい。とってもおすすめです。
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