概要
被告人、あなたはこの世界の主人公ではありません
勇者がパーティーメンバーを追放した。
追放された薬師が覚醒して大成功を収めた。
王子が令嬢に婚約破棄を叩きつけた。
異世界ではよくある話。どこにでもある「お約束」。
——だが、ここは法廷だ。
追放は不当解雇にあたるのか。覚醒チートで稼いだ金に違法性はないのか。公衆の面前での婚約破棄に、違約金はいくら発生するのか。
この世界の住人は、誰もそんなことを考えない。勇者は正しい。聖女は清い。覚醒した者は称えられる。それがこの世界の常識だ。
けれども法だけは問いかける。
証拠は。契約書は。被害額は。動機は善意か、計算か。
裁判官たちは胃を痛めながら判決を書く。弁護士たちは正論と暴論を同じ顔で叫ぶ。被告席に立たされた「主人公」たちは、初めて気づく。この世界にも法律があったことに。
判決は出る。正しい判決
追放された薬師が覚醒して大成功を収めた。
王子が令嬢に婚約破棄を叩きつけた。
異世界ではよくある話。どこにでもある「お約束」。
——だが、ここは法廷だ。
追放は不当解雇にあたるのか。覚醒チートで稼いだ金に違法性はないのか。公衆の面前での婚約破棄に、違約金はいくら発生するのか。
この世界の住人は、誰もそんなことを考えない。勇者は正しい。聖女は清い。覚醒した者は称えられる。それがこの世界の常識だ。
けれども法だけは問いかける。
証拠は。契約書は。被害額は。動機は善意か、計算か。
裁判官たちは胃を痛めながら判決を書く。弁護士たちは正論と暴論を同じ顔で叫ぶ。被告席に立たされた「主人公」たちは、初めて気づく。この世界にも法律があったことに。
判決は出る。正しい判決
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!コミカルなようで深い。近代的な法をよくある異世界に適用したら、のお話
好きですよ、こういうの。
感情だけで、正義だけで話を進めない。面白くってもう、読むのが止まりません。昨晩(2026/9/3)に、シェアワールドのコンテストでこの作者様をお見かけして、代表作を開いたら。「面白すぎるだろ!」とファンになってしまいました。
本作は、Web小説でよくあるお話にわりと近代的な法体制を適用したらどうなる?というお話。
舞台はいわゆる中世風ヨーロッパな異世界。
物語形式は連作短編で、群像劇に近いのかな、と思っています。
主人公はこの世界における裁判官さん(ヴェルナーさんだけなのかと思ったのですが、他にもいらっしゃるようなので、複数形で)です。
扱う事案は(一部割愛し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!おかしいのは私ではなく世界のほうだ。
異世界の当たり前を法廷に引きずり込んで、証拠と証言で解体する話。
勇者が正しい、追放された側が覚醒して無双する、そういうなろう系の前提を、それ、法的にどうなの? と問い直す。その問い直しの手続き自体がエンタメになっている。
同じ法務もの書きとして感心したのは、書類の描写。契約書の厚さ、署名のインクのにじみ、帳簿の数字。紙の上の事実だけで人間の嘘と本音が暴かれていく。感情じゃなく手続きで真実に迫る快感は、本物の法廷劇のもの。
そして判決が出た後、世界が何も変わらない。変わらないどころか、正しい判決が次の災害を生む。この苦さを書ける作品は異世界ものの中にはほぼない。
胃薬を常備した裁判官が…続きを読む